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英語ってどうすると効率よく習得できるのだろうか?
昨日Twitterを眺めていたら、こんなツイートが流れてきました。
語学は「勉強」ではないので、同じ問題集を何周も回して自分の中で完璧にしてから次へ進む、というやり方だと成長スピードが落ちる。
— macha@パパ翻訳家 (@natively_fun) January 9, 2020
スポーツと同じで、今はできなくても、とにかく先へ進むことの方が重要。「量」をこなせば、「質」も後からついてくる。 https://t.co/GtAgXebb9t
僕はかなり早い時期にアメリカに住み始めてしまったので最初からこの「量をやる」スタイルで英語を習得しました。このスタイルの辛いところは、割と早い段階でぼんやりとはわかるようにはなるものの、細かいところまでわかるようになるには、かなり時間がかかる点です。なんというか、ピンボケで写っている写真みたいなもので、おおよその内容は理解できるものの、細部のディテールになかなかピントが合わないのです。
ただ、このやり方で学習すると、曖昧だけど意味がなんとなくわかる表現がとりあえずどっと増えます。なので学習のポイントは、ピントが合ってない部分にどうやって解消していくかだけになります。
問題集の反復はどうだろうか?
一方、日本でよく行われている問題集や単語帳や精読を反復する方法はどうでしょうか? この方法だと最初から細部まで理解できるものの、その一方で問題が3つあります。
1)生の英語に触れる時間が失われる
一つ目の問題は、生の英語に触れる機会が大幅に失われることです。英語に限らずなんでもそうですが、8割程度の理解を目指すのはそれほど大変ではありません。ところが8割の理解を10割にする部分で、それまでの3倍くらいの労力が必要となるのです。このため、問題集や単語帳をパーフェクトにすることに時間を費やすと、肝心の生の英語に触れる絶対量が大幅に減ってしまうのです。
こんなふうにいうと「問題集だって単語帳だって、英語を触れることには変わりないじゃないか!」と感じる人もたくさんいるでしょう。しかし、実はそうではないのです。そしてこれが、2つ目の問題です。
2)教材の類はあまりに殺菌されすぎている
問題集や、それに付属するリスニングの音源などはあまりに「殺菌」されすぎているのです。極めてわかりやすい文章を、発音の訓練を受けたネイティブ・スピーカーが静かな部屋で完璧な発音で読んだものばかりなので、現実の会話シーンからかなり解離しています。一方現実の会話といえば、バックグラウンドに騒音が乗り、発音の訓練など受けたことのない一般人が、思い思いの訛りで流行語やスラングを取り入れながら話すのです。このため、教材を使っての勉強をいくらたくさんやっても、実際の使用になかなか結びつつきません。問題集を使った勉強というのは、言ってみれば、教習所内で運転の練習をしているようなものなのです。
3)相手や状況によっても表現方法が変わる
3つ目の問題は、実際にどんな文法や言い回しをどんな状況で使うのかがいつになっても身につかない点です。
例えば日本語だって、年配の人や上司と話しているのと、ちょっと年上の先輩と話していると、会社の同僚と話しているのと、兄弟で話しているのとでは使う語句や言い回しがかなり変わってきます。異性と同性でもまた違うでしょう。幼児に話しかける時にはまたさらに変わります。
これは英語でも同じことです。つまり状況や相手によって、選択する語句や言い回しや態度や表情さえ変わるのが普通なのです。しかし、教材だけ反復していてもこうしたニュアンスを掴むことができないのです。
また単語本を使っての単語の増強もそれなりの弱点があります。まず、日本語と英語はそもそも1対1でマッピングしないため、英単語を日本語に当てはめて覚えるというアプローチ自体に無理があります。また、現実の使用例に触れることがないので、せっかく覚えてもなかなか使えるようになりません。
英語学習者向けの教材というのは概ね殺菌されすぎなのです。ですから初心者の域を抜けたら、別に子供向けでもいいので、ネイティブ向けのコンテンツに移行すべきです。 https://t.co/f55IVQWfKP
— Hiroshi Matsui 松井博@Brighture (@Matsuhiro) December 29, 2019
また、単語本だけに依存して覚えていくと、こんなことも起きてきます。
多読多聴をしていると、「意味はわからないけど見た(聞いた)ことがある」単語がどんどん増えていく。それがやがて「わかる」単語へ変わる。
— macha@パパ翻訳家 (@natively_fun) December 25, 2019
単語帳メインだと、意識的に「暗記」しない限り、語彙力はなかなか増えない。
※わかりやすくイメージ化したもの(少し極端) https://t.co/ZdGkQe3IZT pic.twitter.com/sAb9pAmZHU
「なんとなくわかる」単語のストックが育たないので、100%わかるか、あるいは全くわからないかの両極端になってしまうのです。
これなら変な話、TOEIC500点くらいしか取れなくても、おぼろげながら理解できる単語や言い回しの多い人の方がTOEIC900点の人よりも流暢に話せてしまったりするのです。例えばこのツイートを書いた方は僕が経営している語学学校、Brighture の卒業生の方ですが、かなり流暢に話せます。別に元々できたとか言うわけでもなく、むしろ最もできない部類の生徒さんでしたが、実際に英語を浴び続ける環境にいるので、知っている単語の駆動力がかなり高いのです。
TOEICは500点だけど携帯や部屋の契約も、ワーホリビザの申請や留学の申請もエージェントを介さず、銀行口座も全部日本語無しの英語でやって来たよ。
— Tちゃん in Sydney🌐AUS🇦🇺 (@HDHT_88) January 6, 2020
まだ英語だけで金を稼いだ事は無いけど面接もトライアルの経験もあるよ。
こっちの方が格好良くない?
自分が堂々と英語話せるって言える理由だよ。
別に問題集や問題集を回すことが悪いわけでもなければためにならないわけでもありませんが、こればかりやっていてもどうしても偏ってしまい、割と浅いところで頭打ちになります。では語学学習というのは、一体どのようにアプローチすると効率がいいのでしょうか?
※この文章は単品で100円ですが、1000円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月20本くらい読めるので1本50円です。このマガジンでは教育のこと、テクノロジーのこと、あるいは未来予測などなど、僕がシリコンバレー、フィリピン、日本の3拠点でビジネスをする中で得た気づきを書き綴っています。
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