見出し画像

人間も企業も国家も万事塞翁が馬

アメリカは現在、これが本当に世界最強国家なのかと思うほど悲惨な状況です。ノーベル賞や金メダルやテクノロジーや世界を変える企業を次から次へと生み出し続けるこの国が、いったい何が悲しいのか、コロナウイルスの感染者をひたすら増やし続けているのです。

一方、コロナ発生当初にはダイヤモンドプリンセスの対応で先進国各国からバッシングを浴びた日本は、かなりの軽傷で第1波を乗り切っています。日本も最近になってまた感染者が増えてきていますが、重傷者も死者もさほど増えておらず、感染者もアメリカと比べると2桁ほど少なく、なんだかんだ言いつつ上手に乗り切っているように見受けられます。

アメリカでは現在失業者が3180万人と言われており、国中が失業者で溢れています。どの街でもホームレスが増え続けています。いったいこの国はどこに行ってしまうのかと、途方に暮れるような毎日です。

なぜアメリカはここまで失業者が多いのか?

ではいったいなぜアメリカはここまで失業者が多いのでしょうか? それは、レイオフが簡単にできる国だからです。実際、どこの企業も本当に素早くレイオフに踏み切り、5月に比べるとやや失業者が減った7月末でも、まだ3180万人も失業者がいます。

その代わりと言ってはなんですが、失業手当が出るのも早かったのです。3月下旬から4月上旬には大半の企業がレイオフに踏み切ったものの、4月の下旬〜5月上旬頃にはもう多くの人が失業手当を手にしていました。

ところが、レイオフを慣行した企業の対応は政府なんかよりもさらに一歩早く、足りなくなった人材を早々にロボットやAIで補い始めています。コールセンターはリーマンショックの時にフィリピンやインドに出て行ってしまっていましたが、残っていたところもチャットボッドやAIの自動応答に切り替えられています。ゴールデンゲートブリッジの料金所もこのパンデミックの前までは人間が料金を徴収していたのに、今ではカメラがナンバープレートを読み取って、あとで請求書を送ってくるスタイルに切り替わっています。

ここから先は

2,036字

¥ 100

もしこの記事を気に入っていただけましたら、サポートしていただけると嬉しいです!