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僕の進む道 #4 「会社員を辞める」

僕は今勤めている会社が好きだ。仕事も好きだ。同僚も好きだし、上司との関係も悪くない。待遇も、環境も悪くない。私生活における特別な事情があるわけでもない。むしろ、妻子を持つ身として安定して働くべきだ。

しかし、新卒入社から7年半勤めたこの会社を退職する。全く実感がない。不思議な気持ちだ。

11月の晴れた日の空は、どこまでも青く澄んでいた。

初めての転職活動

好きなスポーツを仕事にでき、「ここしかない!」と思える会社に新卒入社して6年半。僕は初めて本格的に転職活動を始め、ずっと登録だけしていた転職サイトから実際に応募し、転職エージェントと面談をした。しかし、転職理由が「自分の想いをまっすぐに追い求めたい」だったので、当たり前だが難航した。会社と自分の間に、ほんのわずかでも想いのズレがあると無視できないのだ。

もちろん、視野を広げて経験値を積むという意味で、100%想いが合致しない会社に行くことも選択肢には入れていた。だが、「ここなら行っても良い」と思える会社は選考に落ちてしまった。

同時に、今の仕事以外のことにも目を向けるようになった。29歳になるまで、走ることやスポーツの事業のことしか考えてこなかった。働き方が多くあることも学んだし、お金の勉強も少しずつ始めるようになった。

試行錯誤している間に、会社では新しい大きなプロジェクトも動き始めた。僕は、このプロジェクトに挑戦することと、外の世界を見て勉強することを平行で進めることにした。

世界も、僕の人生も、大きく動き始めた

転職活動を開始してから半年ほど経過した頃、世界は大きく動いた。新型コロナウイルスだ。僕が大好きなスポーツはその機会を失い、東京オリンピックも延期となった。そんななか、僕はもうひとつの大きな決断をした。自宅の購入だ。

僕は一戸建てに住みたいと思っていたが、自分の将来がわからないなかで自宅を購入するのは実感が沸かず、後回しにしていた。しかし、転職活動やお金の勉強をしながら自分と家族の将来についても深く考えたとき、一戸建てに家族と住みたいという想いが変わらないのであれば早い方が良いという結論に至り、購入に踏み切った。

子どもがいて、自宅も購入し、いよいよ安定しなければならない。今の会社ではありがたいことに評価をいただいていて、待遇も悪くなく、好きなスポーツに携わることができている。ただ、不思議なことに、自宅を購入して先が見えたからこそ動きやすくなったと考えるようにもなった。

転職活動を本格的に開始してから1年と2ヵ月が経過していた。後半の半年は全く応募をしていなかったが、自宅を購入してから1社だけ受けた会社から内定をいただくことができた。業務内容や待遇も良く、経験を積むという意味でも行きたいと思える会社だった。

しかし、この後におよんで天使なのか悪魔なのかが、僕の心にささやく。

「自分の想いにまっすぐに」

悩んだ結果、僕はこの内定を辞退することにした。そして、フリーランスになる道を選んだ。

自分の想いにまっすぐに

僕が辞めるということ、その先フリーになるということ、会社の同僚からも上司からも驚かれたが、快く送り出してくださる方がほとんどだった。新卒で最初に入社した会社がここで良かったと、本心から思った。

僕は小学生から全く変わらず、自分の想いにまっすぐ動かないと生きていけないらしい。もしかしたら1年後、うまくいかずにどこかの会社に所属しているかもしれない。それはそれで、まっすぐ進んだ結果なので悔いはないと思う。

12月には30歳の誕生日を迎える。1児の父親で自宅も購入済み。

ここから、新しい挑戦が始まる。

< 僕の進む道 >>>>
  1 「13年前、僕がこの道を選んだ日」
  2 「凡才が『好き』を仕事にするまで」
  3 「清潔な衝動に正直でいたいんだ」
4 「会社員を辞める」
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あとがき

学生時代に競技者としての挫折は味わいながらも、29歳の今に至るまで、根本にあった想いは曲げずにまっすぐ追い続けてきました。

今回、この文章を書くことにした理由は、凡才でも想いを追い続ければ形になることを伝えたかったからです。その形は、子供の頃に描いていたものとは違うかもしれません。むしろ今では、違った方が良いと思っています。世界は広いです。

「僕の進む道」は、今回で中締めとなりますが、僕の性格や想いは変わらないので、おそらく一生続いていくでしょう。またひと区切りついたときにこの続きを書けたらいいなと思っています。

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プロフィール(note)

それでは、また!

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