夏の生活と『街の上で』の話

バイト先も地元で、大学も同じ地元の人が多い。当たり前のように地元の高校の名が飛び交う環境下で、当たり前のように実家暮らしで高校生の頃と対して変わらない生活を続けているというのにもかかわらず、くるりの『東京』はちゃんと沁みる。すごい。もう会うことないなと思っていた人も地元のイオンでばったり会う。バイト先に行くときに高校の後輩に会って、バイト先で中学の同級生にばったり会う。こういう時に嬉しさと情けなさが一遍にくる。厳密に言うと話終えて一人になったときに情けなさが必ずくる。地元やなと。地元すぎてほんと嫌だと。でも会おうと思えばすぐに会うことの出来る距離感の中に友達がいることが最高やし、それがほんま最高過ぎるし、今の環境が永遠に続いても全然ええけどな、高望みし過ぎてもあかんしなと思う。今の生活が好き。俺がそれを1番肯定しておくことにする。
昔は夏休みが好きじゃなかった、今も対して好きではないのだけれど。会いたいと思えて尚且つ会いたいと言える人が選定される期間な気がして苦手だった。断られたら恥ずかしいなと思うから人を誘えなかったのだけれど、恥ずかしいよりも会いたいの方が最近は勝つから誘えるようになった。それから夏休みが苦痛でなくなった。無理に関わりたくない人と関わらなくてもいいし、無い自意識を擦り減らす必要もなくストレスフリーなようで、まだ会いたいと気軽に言えるほど仲良くなれなかったことへの後悔もあったりでどっちがいいのかわからない。

暇すぎてNetflix入った。『愛がなんだ』を観てからずっと観たかった今泉力哉監督の『街の上で』を観た。城定イハの破壊力やばい。青とイハの距離がどんどん縮まっていく過程をfixで捉えて且つ飽きさせへんのが凄い。凄すぎる。まじで見入ってしまう。「長い短いってなんなんやろな、1番どうでもいい時間の概念。明日死ぬかもしれんしな」って台詞めっちゃいい〜。好きまではいかないちょっとした好意とか何かが起こりそうで何も起こらない空間に目が離せない。生活の地続きという感じが心地いい。共同脚本に大橋裕之さんもいてコメディ成分が強くて最高だった。気まずい5人が鉢合わせする例のシーンにダウ90000っぽさを感じた。noteで感想を読み漁っていたら、最後にイハが古着屋に訪ねて来たのは青の読書する姿を見て自分の中であの映画を完結させる為の行動という考察が凄すぎて読解力すげ〜ってなった。物語の裏の裏まで読み取る能力が本当に無いので感服する。作る側に本当に回れるのだろうかと不安になる。
『彼女が好きなものは』も面白かった。誰かを好きだと思うことの突き詰めた先は“その人になりたいと切望すること”なのかなと軽く思った。『愛がなんだ』でもテルちゃんがずっとそういうこと言っていたし、象の飼育員になっちゃったし。そういうテーマでショートフィルムを撮ってみたくなった。