006.『性差別者かもしれないコンプレックス』
ーーゲスト紹介ーー
金城廣太(きんじょうこうだい)
琉球大学工学部4年次。AWS(アマゾンwebサービス)やAbemaTVなどでインターンをした実績をもち、普段はエンジニアとして仕事をしている。自身の仕事をより効率的にするためのWebサービスの開発などもする。
どんなコンプレックスですか?
ひとことで言えば「無意識に女性差別をしているかもしれない自分が嫌い」ですね。実はぼく、小さい頃からこれといったコンプレックスを抱えることなく生きてきたんです。ですが3年ほど前、とあるブログを見たときに、自分のなかにも女性差別者的な側面のようなものが見えてしまったんです。
そのブログは、企業に入社して仕事で奮闘する東大卒の女性が書いたものでした。そこには仕事でどんなに成果を出しても、常に「東大卒だから」「女性だから」と言われて仕事の中身で評価してもらえない。仕事で失敗したときには「カワイイから大丈夫だよ」と容姿を使って励まされる。会社の飲み会では当たり前のように偉い人の隣に座らされる”東大卒女性”の姿が生々しく書かれてました。
その人は仕事をちゃんとやってるのに純粋に仕事だけで評価をしてもらえないのは辛そうだなと、記事に登場する男性たちが許せないなと、読んでて思いました。
でも同時に、自分も、目の前にいる女性を人として見て接することができるかと考えたとき、女性として接してしまう側面があるなと思ったんです。そのとき「自分も文面のなかのおじさんたちと一緒じゃん!」と思い至ったとき、ぼくはものすごく自己嫌悪しました。その気持ちを今も自分に抱いています。
その気持ちは今のご自身にとって、具体的にどんなものですか?
恐怖に近いものですね。ぼくは仕事の面で女性を女性として扱うことがないように気をつけていますが、例えば重いものを女性にもたせないようにするような、たとえ思いやりでも”女性”を意識した行動を取ったとき、それは自分のなかの性差別者的側面が出ているのではと恐れています。しかも人によってはそれが「セクハラだ!」と思われることもあるでしょうし。どこからが性差別でありセクハラであるのかという判断軸が、自分のなかにないのが一番怖いです。
どうやってその恐怖心を乗り越えていこうと思いますか?
これは突飛なアイデアかもしれませんが、例えば女性とコミュニケーションを取るにあたり、その人と契約書を交わしたいですね。「この言葉は使っちゃいけない」とか「こういうコミュニケーションなら良い」というのが事前にわかっていれば、いくぶん安心して接することができると思います。
・・・もしかしたらぼくは、人間として生まれてくるには少し早かったのかもしれません(笑)
同じコンプレックスをもつ方へメッセージをお願いします。
落ち込んだとき、女性と関わるのが怖い自分でさえ彼女がほしいなと感じてしまうのが嫌なんですよ。だから性別関係なく、性差を気にしなくていい友達がたくさんほしいです。毎日友達と楽しく過ごせたら、彼女がほしいなんて思わなくてすむはずですし。なのでよければみなさん、ぜひお話ししましょう!性差の問題は未来のテクノロジーが解決してくれることを期待して!
【未来の新テクノロジーについて語る金城氏】
ちなみに、今回のお話に出てきたブログはこちらです。
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