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多様性の科学

社長が先日紹介された本を読みました。

多様性はなぜイノベーションにとって必要不可欠なのか。
事例と理論の組み合わせでうまくまとめられている非常に優れた本でした。とても読んでいて納得感の高いものが多かったですね。

家にいながら、新たなアイデアを生み出すことはかなり難しいです。コロナ禍で在宅勤務を続けているとどうしても過去の貯金で仕事をしてしまうからです。自分の身の回りで起きていることを自分のレンズだけで判断していないか、気にしすぎるくらい気にしても、どうしても自分のレンズから逃れられないです。

新しいことを始めるにあたってはいろんな人と話をした方が良いですね。新しい気づきは人の話から生まれることが多いです。

本の中で、特に非常に怖いなと感じたのは、極めて優秀な人々を集め、叡智の結集とも言える集団であっても、画一的な人々が多ければ盲点を見逃してしまい、致命的な失敗をしてしまう事例ですね。

具体的な事例として、CIAを挙げられていました。CIAは2001年になぜアメリカ同時多発テロを防ぐことが出来なかったのか。エース中のエースを集めたプロ集団なのに彼らの唯一の盲点は多様性にあったようです。白人男性が大部分を占めていたため、ムスリムの文化を理解できる人間がいなかったことでした。世界中からの危険な予兆シグナルは数多く見られたのに、異文化への理解のなさからその予兆に気づけなかった硬直的な組織が原因と断じています。

そもそも、多様であるとはどういうことなんでしょうか。人種や性別だけではなく、様々な観点から多様であることを論じられている本書は実用的で一読の価値があります。例えば、反対の意見を述べる勇気を乗り越えて声を上げることができるかも多様性の観点から重要なポイントで、重要だと思ったことを言えない社会は閉鎖的で多様であるとは言えません。

また、自分の視界には限りがあります。どこまで視野を広くしようとしても限界があります。そのことを認識して、謙虚になり、周りのフィードバックや出会いを大切にしながら、新しい視野を獲得し続けることを大切にしたいですね。

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