とうとう喰らった　

いつかこうなると思ってた。

とうとう来たな、おぬし。

この「おぬし」とは知人の知人。
この日が初対面。

自分を生きている人ってこんな佇まいなのか。なんか武士みたい。

療育と森林浴とダンスの融合。
今後の相談をしようとしてたのだけど、まだ序章くらいの時にいきなり武士の刀が振ってきた。

シュっ、バサっ！

「今の仕事、辞めたいんだよね？」

は？
そんなこと言った覚えないけど？

長年勤めている療育施設
可愛い子どもたち
優しすぎる上司
天使のような同僚

とにかく温かい職場なのだ。

「罪悪感を溜め込んでる、あなた」

は？
罪悪感？
どーいうこと？

「あなたが辞めても誰も困らない」

え？
困るでしょ、少しは。
あれ？大丈夫そ？

「やりたいことをやる勇気の無さを職場のせいにして逃げてる」

くぅー
とうとう言ってもうたな、おぬし。
トドメのワードを放ってもうたな。
痛いじゃないか、沁みるじゃないか

「答えは出てるよね」

………………………………………

はぁー。

こんな展開になるとは。

帰宅後、しばらく頭を抱えて土下座みたいな姿勢で放心状態になった。核心をぶち抜かれると漫画みたいな動作になるんだな。オモロ。

そして開き直ってきた。

あぁ、そーだよ。
そーですよ。

ここ数年で私は変わったんですよ。
スピリチュアルな生き方を選択したんですよ。自然に触れたり、思いっきり踊ったり、これからは心地よいものを選んでいくと決めたんだから。

なのに。

現職の立場でそのような心持ちでいることは許されないと感じている。

そうか。

私が私を許していないのか。
へんな人だと思われることを恐れてるのか。

私がどんな生き方を選択しようと誰も知ったこっちゃないことなのに、そんなことで罪悪感を溜め込んでいたとは。

ふーん。
武士の言わんとしたことがようやくわかってきたよ。

いらん罪悪感だ、これ。
いらん恐れだ、これ。


そうです、
ワタスがへんなおじさんです

なぜだか志村けんさんのフレーズがふっと浮かんだ。

これ、いいね。笑

そうです、
ワタスがへんなおばさんです

罪悪感や恐れを感じたら呟こう。
ふざけてませんよ、マジです。笑
しばらくお借りしますね、けんさん。

あれれ？
何の話だ？
まとまらないけど、まぁいいや。

ぶった斬ってくれてありがとう、武士。
ありがとう、志村けんさん。

何が大切なん？よう選んで
もうええわ
そう思うならサッサ手放して
もうええわ
自由になるわ
泣くくらいじゃったら笑ったるわ
アハハ

藤井風「もうええわ」