●詩「私を見ている」

つむじばかりを見ているから
どんな顔をしているのかを知らない

産まれた時も
言葉を覚えた時も
恋をした時も
恋を失った時も
友だちとの旅行の時も
母親になった時も
病院のベッドの上で死んだ時も
つむじ つむじ つむじ

何度新しい私が産まれても
私は私のつむじばかりを見ているから
私は私の顔を知らないまま

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