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髪の伸びる速さが均等じゃないのはどうしてだろう。何度見ても右の方が速い気がする。もしく…
子どもの頃に突然姿を消した母が、これまた突然現れた。上手くいかなくて淘汰されていたの、…
ササキササヤはいた。 夕方、近所のスーパーマーケットへと行く。何を買ったのかは覚えて…
目の前にいるのは、人の形をした真っ黒な物体だった。それは目玉焼きが乗った皿をテーブルの…
少し肌寒いけれど、すっきりと晴れた日。今日は卒業式。 六年一組の担任は、鬼先生と呼ば…
蜘蛛を殺しちゃいけません。子どもの頃、母が僕に言った。僕はどうしてだか、蜘蛛だけを踏み…
とても寒い夜、私は女の子を産みました。とても可愛い我が子。もし天使が存在するのならこの子のことだと心の底から思いました。母親ならきっとこの気持ちをわかってくださると思います。 娘は病気や怪我をすることもなく、すくすくと育ちました。いつもニコニコと微笑む娘。その笑顔はやはり天使でした。育児に悩むことはありませんでした。娘はいつもニコニコと健康そのものだったからです。 一つだけ気がかりなことがあります。娘は一度も泣いたことがないのです。おむつが濡れても、お腹がすいても、転ん
「この人形は、絵描きなんだよ」 私の誕生日に、おじいさまがくれたお人形。赤いベレー帽に…
夕方、公園で娘を遊ばせていると、突然棒を渡された。割り箸のような一本の棒。 「これは棒…
「七百病院の七百ってなあんだ」 なんにもすることがない土曜日の昼下がり。退屈だった僕は…
「ここにいちゃ駄目よ」 できるだけ優しく話しかける。地面にうずくまるようにして座ってい…
突然、穴が開いていた。 洗面所の壁に、穴が開いていた。 パパが穴に頭を入れて、覗い…
「みなさんで蝶を育てましょう」 先生がそう言って、一匹の蝶を持ってきた。その蝶は先生の…
「お前は誰だ」 顔のない女がやってきて、あたしに問う。 「お前こそ誰だ」 女にそう問うと、女は奇妙な声で笑った。 顔がないので本当に笑っているのかわからないけれど、笑っているのだろう。あたしがそう思うのだから、きっとそうに違いない。 「お前は誰だ」 顔のない女がもう一度、あたしに問う。 お前こそ誰だ、とあたしはもう一度問うてみたいけれど、どうせこの女は笑うだけだろう。なので、わからない、と答えた。 女は悲しそうに泣き始めた。 顔がないので本当に泣いているのかわ