見出し画像

ASDが雑談をうまくこなすポイントを4つ考えてみた

自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ人々は、コミュニケーションにおいて困難を抱えることがよくあります。僕自身もこれまでの人生で非常に困ってきました。

ぼく自身がASDでありながら、おとなになるまで誰にも発達障害を指摘されずに育ってきた程度には、一般人に擬態して生きてこられた雑談力(?)があるはずです(たぶん)ので、お役に立てれば幸いです。

(正直いまでも雑談には苦手意識ありますけど…笑)

Youtubeに動画でもアップしているので、動画で見たい方はそちらを御覧ください。

1. 話題を準備する

ASDのある人は、自分の興味や関心がある話題について話すことが得意です。
事前に話を準備します。最近あったことや面白いことがあったら話を組み立てておきます。
また、ASDはついつい1~10まで話してしまう傾向があるので、人数の多い食事の席みたいな、一人あたりの持ち時間が少ないときは、1,2,5,8,9,10くらいの感じで、展開を維持しつつ飛ばせるところを飛ばす、みたいな意識で僕は話しています。
お笑いの理論を勉強するのもおすすめです。雑談で使いやすいのだと「かぶせ」とかですかね。ちょっと意識するだけで人を笑わせることができるのでいいですよ。

2. 雑談は情緒のやりとりである

ぼくらが思っている以上に、雑談は情報ではなく情緒のやりとりです。
だからこそ、「今日暑いね~」「ね~」みたいな会話が成立するわけで、そこに情報としての意味とか価値を必要としていません。内容の意味というよりは、やり取り自体、交流自体が意味のあることで、ストレス発散になったりするわけです。
…ということを、恥ずかしながらぼくは自分の発達特性を知って色々知識を収集してから理解しました。なのでそれからは、「なんで中身の無い会話してるんだろう…?」と思いながらも「まあそういうもんか」と思えるようになりました。

3. 非言語的なサインを知る

雑談において、非言語的なサインは重要な役割を果たします。これはよく言われることですね。
ASDのある人は、相手の表情やジェスチャーを読み取ることが苦手です。こうした非言語的なコミュニケーションを定型発達の人は息をするようにしています。
五感の中でもっとも受け取る情報量が多いのは視覚ともよく言われていますが、コミュニケーションにおいても音声よりむしろ表情とかジェスチャーでやりとりをする側面が多くなります。
じゃあぼくらASDが一切できないのかというと、そんなことはなくて、”息をするようにできない”だけで、「よしやるぞ!」って感じでやるとできることではあります。だから人と会うと疲れるんですよね…。
ぼくの対処法としては、それぞれの非言語情報を特定の気分などと結びつけてパターン化してデータベースに溜めていくようなイメージで過ごしています。
例えば、相手が眉をひそめたら、「ムッとした」or「内容を理解できていない」のどっちかであることが多いとか。
もちろんパターン化しても全員に当てはまることはもちろんないので失敗はするのですが、ASDでなくてもコミュニケーションの失敗はするので、その範囲に近づいて行けると思っています。

4. 正論で殴らない

これ、ぼくが好きでよく使う表現なんですが「正論で殴る」っていうのは、感情や気分を無視して理論的に正しいかどうかで話を進めてしまうことです。これをしすぎてしまって雑談で失敗するパターンがよくあります。
具体的には、例えば天気の話をしているときに相手が「今日はくもりだから過ごしやすいね」って言ってきたときに、「いや、見た感じ雲量7くらいだからくもりじゃなくて晴れだよ。気温は低いけど。」と言ってしまうような感じでしょうか…。
こういう失敗を数々経験してきて、「あぁあんまり正論で殴らないようにしよう…」と肝に銘じながら過ごしています。


以上、ASDのぼくが雑談をうまくこなす中で気をつけているポイントでした。参考になればありがたいです。それではっ。

よりよい発信のための投資(書籍など)に充てさせていただきます。なにより応援のお気持ちが嬉しいです。