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【ダイビング】あの人気者の意外な生態

海の中には「なんでこうなった」
と思わず突っ込んでしまいたくなる奇抜な生き物や、色鮮やかで美しい生き物が数多く存在します。

一方で見た目にはわからないけど意外と苦労してたり…
争わないために、他の魚とは違った生き方を選択したり…

海の中の生き物は多様性豊かです。

今回は一般的にはあまり知られていない、
あの人気者の意外な生態をのぞいてみましょう。

何気なく観察していた生き物でも生態や生き方を知り、理解を深めるとダイビングが何倍も楽しくなりますよ!

映画の主人公でダイビングの人気者「クマノミ」


クマノミは世界中で2属28種。日本ではクマノミ、ハマクマノミ、カクレクマノミ、セジロクマノミ、ハナビラクマノミ、トウアカクマノミの6種が確認されています。

かわいらしい見た目でダイビングでは人気者のクマノミ。
映画「ファインディング・ニモ」で一躍人気者になりました。

クマノミの寿命は平均して5~10年、
天敵がいない飼育下では20年近く長生きする個体も報告されています。

以外にも長生きなクマノミですが、
体が小さく、天敵から狙われやすいです。
イソギンチャクと共生しているのはそのため。

共生は相利共生(そうりきょうせい)片利共生(へんりきょうせい)の二種類あります。
片方に害しかない場合は寄生となります。
クマノミとイソギンチャクはお互いに利益のある、相利共生。

天敵から守ってもらう代わりに、
クマノミはイソギンチャクにエサをあげたり、体をきれいにします。

そんなクマノミですが、実は意外な生態の持ち主。

魚の中でも珍しい、性転換をする魚!!

クマノミは、生まれた時はオスでもメスでもありません。
環境次第で性別が変わり、基本的にはオスになるクマノミの方が多いです。

クマノミはイソギンチャクのまわりにグループで暮らしており、
グループの中のでは基本的にメスは一匹。

もしメスが死んでしまったら、子孫を残すことが出来ないし、
どうなるの…?と思いますよね

なんと、次に体の大きいオスが性転換をしてメスになります!
クマノミの家庭環境はなかなか複雑ですね…。

この不思議なクマノミの生態は、自然界で生き残るための戦略だと考えられています。

どこでダイビングをすればクマノミに会えるの?


暖かくて浅いサンゴ礁には、餌となる動物性プランクトンがたくさん繁殖しており、そこでイソギンチャクと共生し暮らしています。

日本でも、水温が暖かい地域でダイビングをすると、クマノミに出会えますよ。

クラゲやサンゴの仲間「イソギンチャク」


イソギンチャクの仲間は、世界中から約800種報告されており、あらゆる海に生息しています。日本からはそのうち,50種程度が報告されていますが、未確認種を含めると150種以上でまだまだ名前の付いていないイソギンチャクがたくさんいます

先ほども登場したイソギンチャク。

イソギンチャクは、刺胞動物と言い、
植物と思っている方には衝撃ですが、実は動物なんです。

触れると触手にある「刺胞」に入っているカプセルから毒針が発射されます。

クラゲは触れると刺されるイメージですよね。
実は、サンゴとイソギンチャクも同じ仲間で、触れると毒針で刺されます。

イソギンチャクと似た粘液をもっている魚は攻撃されない


クマノミの体表を覆う粘液はイソギンチャク類の粘液と似ています。

そのため、イソギンチャクはクマノミを外敵とは認識されず、攻撃されません。

そのほかにもイソギンチャクと共生関係にある魚や甲殻類は数多く存在します。

普段はプランクトンや小さなエビやカニを食べていますが、
共生することで他の魚のおこぼれを食べられることも。

思い切って大移動するイソギンチャク。


イソギンチャクの成長には太陽光が欠かせず、
一度お気に入りの場所を見つけると、なかなか動きません。

一般的には数センチ単位で少しづつ移動しているのですが、
天敵が襲ってきた際はジャンプして大移動します。
海の中で体をくねらせて移動する様はなかなかシュールですね。

ダイビングではおなじみ「ウミガメ」


ウミガメは世界中に8種おり、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイ、ヒメウミガメ、オサガメ、クロウミガメの6種類が日本に住んでいます。

あなたもダイビング中に出会った経験はありますか?

ウミガメは陸上のカメと違い甲羅は水の抵抗をなくすために平らで、
ひれは水を搔きやすくするため、オールのようです。

中でもダイビングでよく出会えるウミガメはアオウミガメで、
大きなものでは体長1.5m、体重300kgを超えるサイズも発見されています。

青くないのに何でアオウミガメ?

アオウミガメという名前とは異なり、実際の色は茶色。

草食性で海草や海藻を主食としているため、
海藻の色素で体脂肪の色が、青緑になることが名前の由来です。
外見ではなく、体内は名前の通り青色なんですね。

また一部では、ウミガメを食用する地域もあるんです。
クセの強い臓器などは煮込みで食べますが、
その赤身はさっぱりとしており、
生食で刺身や寿司でいただくのが一般的。

産卵時だけじゃない!常に泣いてます…


産卵時に涙を流す映像を見たことはありますか?

ウミガメの涙は、体内の塩分濃度の調節のため。
人間のように、感情表現のために流しているのではないのです!

ウミガメは目の横の塩類腺(えんるいせん)という器官で塩分濃度を調節しており、水中でも常に排出されています。

ウミガメの子供の意外な生態


ウミガメの性別は卵の周りの砂の温度に影響され、 
29.5℃より高いとメス、低いとオスとして生まれます。
温度によって性別が変わってしまうなんて、人間だったら考えられませんよね。

現在は地球温暖化の影響で、世界最大のアオウミガメの産卵地
オーストラリアでは、幼体の99%をメスが占めている研究結果があります。



仔ガメは産卵から2か月後、孵化して海に向かうのですが、
生まれてすぐの仔ガメになぜ、海の方向が分かるのでしょうか?

仔ガメは光の方向に向かう性質があり、
月明かりによって海まで迷うことなく辿りつけます。

そんな仔ガメですが、街灯が多くある砂浜では方向を海と勘違いしてしまい、
海までたどり着けずに、干からびて死んでしまう仔ガメもいるのです。


海の中の生き物を知って、よりダイビングを楽しみましょう!

いかがでしたか。

海の中にはそのほかにも意外な生態を持つ生物がたくさん存在しており、
まだまだ紹介しきれません!

今回紹介した生き物はどれもダイビングで比較的簡単に見つかるので、
出会った際は、また違った視点で生き物たちの生態を楽しめるのではないでしょうか。

海の生き物の面白い生態やダイビングの情報を発信中。
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