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金融系OL、趣味と呼べるものを増やしたい

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金融系OL、趣味と呼べるものを増やしたい

最近の記事

7月に読んだ本

そうだ私はひとりで生きられる強い女になりたいんだった、ということを思い出した。 中国経済そろそろ盛り返さないかな…?と読み始めたが、淡い期待は砕け散った。後20~30年だめかもしれないな…。中国政府は今後も何かしら経済刺激策を打つだろうけど、歪んだ市場で無茶をした不動産企業をすべて助けるのはとうてい無理だ。 最後の終わりかたに拍子抜けした。印象的なアイテムがたくさん出てくるが全部回収されるわけではなくちょっとがっかり。 再読。今後の人生に不安になったときに読みたくなる。

    • 6月に読んだ本

      大きなテーマとして何を扱っているのかはよくわからず。主人公が女性をくどくシーンの小気味良い気持ち悪さは健在でこれが読めただけでもよかった。 誰も死なないのに怖いという触れ込みを読んで手に取った本。気づかないほうが幸せという状況は往々にしてあるのだろう。 偽マーク・ラファロの要求のままに大事なものを売ってまでどんどんお金を渡してしまうのが読んでいて辛かった。詐欺グループのやり口も結構雑で外野から見ていると詐欺に決まってるやん!と思うのだが、一度お金を渡してしまうと騙されてる

      • 5月に読んだ本

        主人公の警察官の心情描写か省かれているのでドライな読み心地で、事件の動機・犯行、それに迫る過程がたんたんと楽しめる。 高望みしてるわけじゃないのに相手が見つからないという人は読んでみてほしい。ぐぬぬとなると思う。 自分の嫌なところを煮詰めて提示されてる感じがして読むと不快な気分になるので高瀬さんの作品が大好き。

        • 4月に読んだ本

          三部作らしい。ありがたい。 灯台から男たちが忽然と消えた実際の事件を基に展開したフィクション。事件の謎にせまる過程で狭いコミュニティでの人間関係やそれぞれの過去が見えてくる。 灯台守の生態の描写がリアルでおもしろく、気の合わないやつと勤務時期が被ったら地獄だなと思った。 河内弁の神々が粗野でゆるくてかわいい。神社に祀られている神様の出自や関係がわかっておもしろい。 「時代の記録者」と呼ばれている著者。一生懸命生きているのに這い上がれない閉塞感を感じる。

        7月に読んだ本

          3月に読んだ本

          ほのぼの系かと思ったら結構重いテーマを扱っている。生きるってしんどいこともあるよね、、という気持ちになる。 コンサル会社の先輩たちのキャラが強すぎて漫画みたい。良くも悪くも今じゃ経験できないようなエピソードが満載でおもしろい。 安楽死の合法化が進むなかで、有益な命、そうでない命が区別されるようになるのがすごく怖い。 同調圧力が強い日本には迂闊に持ち込むべきではない。 私は一応金融機関に勤めているのだけれど、なんとな~くしか理解してないことが多いので、ストーリー形式で金融

          3月に読んだ本

          2月に読んだ本

          流行りのミニマリストを揶揄するような作品。ミニマリストだってモノへの関心が異常に強いわけで、モノを溜め込んでしまう人と本質的には同じという台詞にたしかにと思った。私もミニマリスト寄りではあるが「捨てたい」という感情に支配されることがあるので。 エピソードひとつひとつは悲しかったり腹立たしかったりするけど読後感は温かい。義母の認知が弱りつつある今が一番いい関係と書かれており、老いを恐れている人にも、家族との関係がよくない人にも救いになる言葉だなと感じた。 私はミステリーでは

          2月に読んだ本

          1月に読んだ本

          花ちゃんは、稼ぐ気概があり、やってること犯罪なんだけど、どんどんお金を手にしていく。その一方で、蘭と桃子は将来のことを真剣に考えている気配がない。 この状況に苛立つ花ちゃんは、どんどん高圧的になって、行き過ぎた家のルールを押し付けたり、口調が暴力的になっていくのだが、知ってる感情だと思ってしまった。根底にあるのはお金を稼ぐやつがえらいという考え方だ。 思い出したのは、ラジオでオアシズの大久保さんが言っていた、恋人に金を渡していたのに、最後は「合わせるのに疲れた」と振られた

          1月に読んだ本

          12月に読んだ本

          桐野夏生の本にはすごく胆力のある人とか、我の強い人が出てくるイメージだったけど、皆時代に流されていってしまった。それほどバブルの力が強かったということか。 夫のECDさんの病気が発覚して入退院を繰り返している期間と、亡くなった後の期間の日記。 なくなる前と後で、ECDさんへの気持ちの持ち方が全然違っているのが身につまされる。病気の人が入院したり帰ってきたりして、自分の生活が振り回されていると感じるのちょっとわかるなと思ってしまった。 優しくなれなくなったときにもう一度読みた

          12月に読んだ本

          11月に読んだ本

          亡くなった父親のパソコンを開くと、右傾コンテンツ(それも俗悪な)に溢れており、悲しみを通り越して、コンテンツ提供者や孤独な老人が右傾コンテンツにハマる構造に怒りを向ける筆者。そこから、父親の身辺者へのヒアリングを重ね、父親の人物像を再構築していく。 最終的な父親への評価は、思いがけないもので、 私自身が父親との関係があまりよくないことも相まって、しゃくりあげて泣いてしまった。2023年ベストかも。 翻訳家の村井理子さんのエッセイ。バリバリ好きな仕事されて、双子の男の子とかわ

          11月に読んだ本

          10月に読んだ本

          トラウマ研究の専門家で、大学教授をしながら、臨床も続けている方のエッセイ。研究や治療の対象となるものをまっすぐに見て、実際に自分が感じたことを大事にされている印象。この人の治療を受けられたら幸運だろうなと思う。 人間はヴァルネラビリティから逃れることはできないので、「弱さを克服するのではなく、弱さを抱えたまま強くある可能性を求めつづける必要がある」。 自分が弱いという自覚があるので、弱さを抱えあまま生きていくことを肯定されるとうれしくなる。 謎の宗教団体が出てくる話に惹か

          10月に読んだ本

          9月に読んだ本

          好きなシリーズ。発売されてすぐ買うのなんか久しぶり。動機が最大の謎となって、徐々に迫っていく感じが最高。シリーズの中では1と今回の4が特に気に入っている。 主役二人の人生がハード過ぎる。最後落ち着いて終わったけど、よかったねと言っていいのか。残された側の気持ちを思うと悲しくなってしまう。 千葉雅也さんの「勉強したらキモくなる。 キモくなっていないなら勉強が足りない。」ていう名言好き。 著者のように差別に瞬時に怒れるようになりたい。読みやすくておもしろかった。

          9月に読んだ本

          8月に読んだ本

          このシリーズ面白すぎた。重大犯罪分析課のワシントン・ポーとティリーが徐々に友情を深めながら難事件を解決していく。お互いを補い合うポーとティリーの関係性がいいし、謎がどんどん深まりながらも、解決までスピード感を持ったまま展開していくのがすごい。何より、イギリスらしいブラックジョーク満載で全文が面白い。 女ことばよりも、女らしい言い回しを強いられる環境が問題。これは日本も外国でも同じらしい。会議で提案をするときなど、~~したらいいと思うんですけどどうでしょうね…、みたいな言い回

          8月に読んだ本

          7月に読んだ本

          今付き合っている彼氏との将来、老いていく親との関係、そんなに打ち込んでるわけではない仕事での身のこなし、妙齢の女が悩むことを主人公も同じように悩んでいる。きっぱり意見を言ってくれる後輩ちゃんの存在がうらやましい。 表紙の猫がかわいくて手にとった。話に出てくる猫もみんな気高くてかわいい。主人公が、猫を飼うと人生が変わってしまう、心配で旅行も行けないと言っていたが、私もいつか猫中心の生活をしてみたい…。猫の人生を猫生(にゃんせい)と言っていたのがかわいかった。 時代設定がいっ

          7月に読んだ本

          6月に読んだ本

          元気がないときに読んだらちょっときついと思う。不安になったり、パートナーを思いやったり、後悔したり、納得したりしていた人が突然いなくなる。本人が死んだらこの思考はどこへ行くのだろう。読み終わった後の喪失感が強くて、ぼーっとしてしまった。 おもしろかった!何回も裏切られる。就活、当時は思い詰めたりしながら真面目にやってたけど、振り替えると何やったんやろと思う。 独ソ戦に狙撃兵として従軍した少女の物語。独ソ戦についての知識はほぼなかったけど、"第2次世界大戦の中でも突出した死

          6月に読んだ本

          5月に読んだ本

          医者になるために9年間の浪人を強いられ、看護師として働くと決めた後も助産師学校への入学を強要され、これ以上母親の束縛のもと生きていくことに耐えきれないと思った娘が母親を殺してしまう事件を扱ったノンフィクション。 母親が娘を罵倒するラインがそのまま載っていたりするけど、内容があまりに身勝手で読んでいて辛くなる。自分の見栄のためだけに娘を所有物のように扱っており、殺される結末を知っていてもどうしても娘側に同情してしまう。 ラストは思いがけず救いのある内容で、それだけにときおり訪れ

          5月に読んだ本