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人は孤独だが、ひとりではない。

一遍上人は言った。

生ぜしもひとり
死するも独り
されば人と共に住するも独りなり
そひはつべき人なき故なり

瀬戸内寂聴さんはこの言葉を

結婚して、子どもを産んで、たくさんの人とつながって暮らしていても、結局人間は孤独。そして、死ぬまでお互いが愛し合ったまま添い果つような、そんな仲はない。

と解釈した。彼女は出家して「人間は孤独だということ」を徹底的に肝に命じて生きた。

僕は、少しの哀しみを感じつつも

「ほんとうにそうだな」

って思った。



漫画『プラネテス』でタナベは、宇宙を生きがいとし、深遠なる宇宙に憑りつかれ、死してなお宇宙の中を漂うことを望んで宇宙に放たれた男の棺桶が天文学的確率で彗星軌道に乗って地球に戻ってきたときに、こう言った。

独りで生きて
死んで
なんで満足できるんですか?
ばかみたいよ

宇宙は独りじゃ広すぎるのに。

漫画『プラネテス』2巻 P80

僕は

「人は孤独だけど、ひとりじゃない」

って思った。


人はひとりではない。

ひとりで生きてる人なんてひとりもいない。

人はいつまでも孤独だけれど、ひとりではない。

この宇宙がある限り。

そう思った。

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