3兆円超でさらなる成長を続ける楽天、アマゾン 日本のネットショッピング業界を数字で眺める
おはようございます。ドドルあおけんです。
このnoteでは、月〜金日替りテーマでIT系のビジネストレンドなどをできるだけ噛み砕いてご紹介しています。
EC・ロジスティクスの水曜日。今日は、日本のオンラインショッピングの今を各社の利用者数、流通総額から眺め、ざっくりとした規模感や各社の成長スピードがつかめる回となっています。
今日、最初にご紹介する元ネタは今月7日に発表された調査会社ニールセンの「デジタルコンテンツ視聴率のMonthly Totalレポート」です。
大手ネットショッピングサイトの利用者数でアマゾンが5200万超えで1位
今月の発表ですが、データ自体は今年4月、ロックダウン最中ですかね。
利用者でいうとアマゾン(5200万)と楽天(5100万)が拮抗しています。でも、すごい数ですよね。国民の半分くらいは見に行っているということになります。
リーチとか平均利用回数とかGRPとかの定義はちょっと不明ですが、アマゾンは国民の42%にリーチできた、ひとりあたりの閲覧ページ数はアマゾンで1ヶ月44ページ、楽天で53ページと楽天の(あの長ーい商品紹介ページの)ほうが閲覧されている、というくらいに仮で見ておきます。
ヤフーはアマゾンの半分強の利用ユーザ規模という感じです。
各社ともスマホ率75%以上、スマホでショッピングが標準的に
続いてネットショッピングサイトにどんなデバイスで見に行っているかというのを見てみます。
各社とも3/4以上がモバイルのみ、と完全にネットショッピングのモバイル化が進んでいる状況がわかります。ショッピングはPCでみたいなイメージが昔はありましたが、今はもう完全にモバイルです。
35歳超の女性に強い楽天
続いて属性別。男女、年代でどんな傾向があるのでしょうか。GRPの比較ということですが、GRPは日本語でいうと延べ視聴率ということでテレビっぽい指標なので、数字の読み方がよくわからないのと、年齢の切り方が粗いので傾向が見えづらいです。
わかりにくさがありつつも、特徴的な傾向でいうと35歳以上の女性は楽天好きということでしょうか。あとヤフーショッピングは18−34の世代にはあんまり支持されていない、アマゾンはまんべんなくいける、という感じでしょうか。
閲覧ページ数とかけ合わせて考えると、アマゾンの洗練されたある意味機械的なページ構成はどちらかとういうと理屈っぽい男性好みで、店舗ごとにそれぞれの個性がほとばしる、逆にある意味くどい楽天のページ作りはショッピング自体を楽しむ傾向にある女性の支持を得やすいという傾向にあるということかなと思います。
気になる流通金額規模(2019年)の比較
こちらのサイトに2019年のネットショッピングモール系プレイヤーの流通金額ベースがのっていたので、こちらも合わせて見てみましょう。
こちらが流通金額を比較したチャート。楽天、アマゾンが抜けていますね。その他は1兆円の壁があるようです。
前年比で見るとメルカリ、Wowma、Qoo10、BASEが伸ばしています。
それではこのEClabさんの解説を抜粋しながら、大手系と成長系の状況を見てみます。
大手1:楽天市場 流通総額:3兆8,595億円(トラベル等含む)
楽天の投資家向け発表によると、国内EC事業の流通総額は前年比13.4%増の3兆8,595億円となった。この値は楽天市場だけでなく、トラベルなどの宿泊流通、GORAによるゴルフ流通、ビジネス、楽天Direct、楽天デリバリー、ラクマ、クーポンなどの値を含んだものとなっている。
前年から13%伸ばし、4兆円も見えてきた感じです。
大手2:Amazon 流通総額:3兆4,238億円(推測)
米Amazon.comが公開している年次報告書の68ページによると、2019年の日本国内における総売上高は160億200万ドル。2019年の平均為替レートを108.05円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、米ドルに対しては全てこの値を使用)、日本円にして1兆7,290億円となった。
前年2018年の同データは約1兆5,133億円(138億2,900万ドルで為替レートを109.43円とした場合)だったため、売上高は米ドルベースで前年比15.7%増となっている。Amazonの売上高については、日本国内でAmazonが売主となるものと、第三者が売主になるものの手数料10%程度が合計された値となっており、その割合は未公表だ。しかし、eccLabでは2018年のマーケットプレイス割合を50%と推定。マーケットプレイスのシェアは引き続き拡大していると考えられることから、2019年の割合は55%であると推定。このことから、2019年の流通総額は3兆4,238億円、前年比24.4%増と推測する。
がんばって推測して出した数字。3.4兆円で前年比24%増。楽天よりも10%以上伸び率が高いです。
大手3:Yahoo!ショッピング 流通総額:8,519億円
Yahoo!JAPANを経営するZホールディングス株式会社の決算説明会資料によると、2019年のYahoo!ショッピング関連事業の国内流通総額は前年比16.5%増の8,519億円となった。
この流通総額はYahoo!ショッピング、LOHACO、(株)チャームの取扱高を含むが、アスクルBtoBの取扱高は除いている。また、2019年度第3四半期のみPayPayモールを含むが、ZOZOTOWN本店の取扱額は除いている。増加要因としてはZOZO連結子会社化による影響やPayPayモールオープンによる拡大、または消費増税前の特需によるものとされている。
前年比16%増で楽天よりも高いですね。ただ絶対額が全然違います。
ZOZOの取扱高が3450億円くらいあるようなので、仮にそれを足すと1.2兆円くらいになる感じでしょうか。それでもアマゾン、楽天の半分にもいかないです。
成長株1:メルカリ 流通総額:5,434億円
フリマアプリのメルカリの決算説明会資料によると、国内の2019年の流通総額は5,434億円となった。2018年の国内の流通総額が4,178億円の為、前年比30.1%増となる。昨年までの急成長と比較すると多少緩やかになったものの、国内ECにおいては依然として高い成長率を維持している。
急成長がゆるやかになったとのことですが、それでも前年比30%増はかなりの伸びです。
成長株2:Wowma! 流通総額:1,287億円(推測)
auコマース&ライフ株式会社が運営しているWowma!の流通総額は正式には公表されていないため、過去からの情報を元に推測を行う。eccLabでは2016年度の流通総額を約500億円、2017年度はWowma!フォーラムで流通総額の年間成長率を132%と発表していることから流通総額660億円、2018年度は成長率が150%とのことから990億円と推測。そして2019年は前年比30%増との関係者からの情報から、流通総額は1,287億円と推定する。
KDDI/auが展開するWowma。こちらも前年比30%増でなかなかの成長です。
成長株4:Qoo10(eBay Japan) 流通総額:1,209億円(推測)
Qoo10は、ここ数年で大きく運営母体が変わっていることもあり、流通総額は断片的な情報を組み合わせて推測するしかない状況が続いている。eccLabでは今回もQoo10の流通総額の推測を行う。まず、2017年のQoo10全体の流通総額は12億ドルで、その半分が日本によるものとの記事から2017年の流通総額は667億円と推測。また、2017年の流通総額は前年比40%増との記事から、2016年の流通総額は476億円と推測。2018年もユーザー数の継続的な増加が公表されていることから40%程度の増加と推測し、930億円と推測。2019年は「前年比30%増のペースで流通総額を拡大している」という記事の記述をもとに、1,209億円と推測する。
これは知らなかったですが、アメリカの大手eBayが日本で展開しているモールのようです。こちらも前年比30%増で成長しています。
成長株3:BASE 流通総額:429.6億円
インスタントECを提供するBASEはこれまで流通総額を公表していなかったが、今回より決算説明資料が公開された。資料によると、2019年の流通総額は429.6億円。同資料内に2018年の流通総額が269億円との記載があるので、前年比59.7%増となる。
他に比べて母数が少ないですが、そうは行っても400億円以上の流通総額はなかなかです。そして前年比約60%増は成功するスタートアップらしい成長スピードです。
コロナの影響でEC化が加速する中、株価も急激に上がっています。コロナ前は1000円〜2000円の間でさまよっていたのが、コロナ後6000円まで上げています。今後の成長に注目です。
ということで、本日のお話は以上です。
日報
昨日の備忘録として。
・APACmtg - IC&Cの情報共有会(10am)
・Ph.2資料作成(pm)
・P案件Internal (6pm)
・JPS_Executive会 @海辺
(独り言)かなりのエグゼクティブ会でした。
明日は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の木曜日。中国のアリババが疲弊する小規模な小売店、いわゆるパパママショップを支援する事業の目のつけ所について考えてみたいと思います。
マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の木曜日
グローバル・未来の金曜日
ライフハック・教養の土曜日
エンタメの日曜日
それでは今日もよい一日を。