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いつ起業するか?という問いについて

エンジニアがサービスを作って起業したいと思ったとき、今の会社を辞めてから始めるのか、副業で始めて軌道に乗ってから起業するのか、という疑問が湧いてくると思います。

前提条件によって答えは変わるのですが、いま安定した仕事があるなら、今の会社は辞めずに起業することをおすすめします。

この記事では、その理由をいくつか説明していきたいと思います。

生活できるレベルまで持っていくのは時間がかかる

起業をして、サービスを作って、それを実際に使ってもらって、そして収入を得るまでには長い期間を覚悟する必要があります。特に今までにない新しいサービスを作ろうとしている場合、そのハードルはさらに上がります。

私の場合は、2005年にサービスを公開したあと、実際に「食べていけるかも」と思って起業したのは2013年。サービスを作ってから8年もかかっています。その間に何度も無駄なものを作って失敗を繰り返しています。

いまどれだけ素晴らしいアイデアを持っていたとしても、それにお金を払う人はすぐには現れません。そしてサービスの開発は必ず先行投資が必要になります。アプリやシステムが存在しない状態でお金は取れませんし、システムができてもお金をもらう仕組みまで作りきらないと収入は入りません。

時間をかけないならお金がかかる

アプリやシステムを短期間で作ろうとすると、能力のあるエンジニアが何人も必要になります。外部のベンチャーキャピタルからの出資を募ったり、もともと本人がお金を沢山持っていないかぎり、何千万円、何億円のお金を準備することはできません。

そして自身以外のお金を調達した場合は、調達元からアドバイスやサポートが貰える一方で、EXITという目的に向かって進む義務を背負うことになります。そこが弱みになってしまいます。

自分だけでやるとしても、お金が足りなくなってくると、システムの外注を受けたり、自分の得意ではない仕事もやらなくてはいけなくなってしまいます。そして気づくとやりたかったサービスの開発がいつまで経ってもできない、という状況に陥るかもしれません。

もし別に得意な仕事で固定収入があって安定的に生活できる状態にあるなら、仕事以外の時間をサービスの開発に確実に割り振ることができます。

足元を固めて戦うことで、より強くなる

着実に一歩づつ開発を進めていき、最終的に大きなシステム・サービスを作り上げる、そのためには誰かに振り回されない状況を作ることが大切です。

お金や時間を誰かに握られている状況、それ自体がリスクになります。

起業をするなら、誰かに自分の生き方を制限されるような生き方は選びたくないはずです。自分が誰かに振り回されないように、自分の生活を安定させた状態のまま、副業でサービス開発を始めることをおすすめします。

副業でやると時間が足りないのでは?

仕事で忙しくて時間がない?

本当にそうでしょうか。私の場合は帰宅が連日23時ごろ、朝が6時起きという状況でも、できるだけ朝座れる経路で電車に乗って開発し、会社の昼休みも食事は早々に切り上げて開発をし、土日も漫画喫茶にこもって開発をしていました。

友達と遊んでいる時間、スマホで動画やニュース、SNSを見ている時間、無駄に過ごしている時間を削り、開発にできるだけ時間を注ぎましょう。自分のできる限界が本当にそこなのか、他人からの強制ではなく、自分から自分をきちんと追い込めるように環境を整えましょう。

実際に起業をして追い込まれていくと、それでも時間が足りないと思うときがたくさん出てきます。起業をするまえに、それらを副業という形で体験しておきましょう。

最後に

お金が入ってこなくても、趣味だと自分に言い聞かせて作っていても、信念を持って一つのサービスを作り続けていればそれはもう副業です。そして起業の準備を進めている状態です。

今までの生活基盤を切り捨てて起業すると、何かをやった気になるかもしれませんが、それは何もしていないのと同じです。楽にするために仕事を辞めることはせず、ぜひ苦しい道を選んでみてください。それを乗り越えた先に今まで見えなかった世界がきっと見えてくるはずです。

ではまたー



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