普通とは違う自分をひた隠しにしてきた
”自分の当たり前が他人の当たり前やと思ってはいけない”
ばあちゃんの一言で封印していた過去が甦ってきた。
幼いときからなんとなくだけど一緒にいる人の考えが分かった。これまで付き合っていた彼女も俺といて楽しくなさそうなのが分かると、だんだんと疎遠になり挙句振られるのだった。
小学生の頃、母に「足痛そうだけどどうしたの?」と言った瞬間の母の顔は忘れられない。
母は足を引きづるわけでもなく普通に生活していた。それなのに息子が悟ってしまったので気味が悪かったのだろう。
「幸太くん、顔色悪いよ?大丈夫?」
昔の嫌な思い出がフラッシュバックして目の前に美緒ちゃんとばあちゃんがいるのをスッカリ忘れていた。
「ばあちゃん、俺昔からおかしいと思ってたんだけど、これが才能ってことなの?普通じゃないことが才能だなんて嫌だよ…」
「普通のどこがいいんや?みんなそれぞれ個性がある。それやのに
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