自分の当たり前は他人にとっては当たり前じゃない
「こんにちはー!!!お隣さんにみかんようさん貰ったからみんなで食べよう〜」
暗い雰囲気をぶち壊すかのように美緒ちゃんが遊びにきた。
「ほな、美緒ちゃんのお茶いれてくるわ。」
と言ってばあちゃんは台所へ引っ込んだ。
「ん?2人なんかあったの?」
美緒ちゃんの大きな目に見つめられると俺は弱い。
さっきまでばあちゃんと話していた、ホロスコープ界の厄年について話した。
「俺、不安なんだよ。自分に出来ることって言ったら稟議書くことくらいでしょ。そもそもそれが向いてないかもしれないって聞いて、これから俺はどうすればいいんだろう・・・」
「わたし、銀行のお仕事はよくわからないんだけど、稟議書を書くにはお客さんのことわかってなきゃ書けないんだよね?」
「そうだよ。融資して経営がうまくいくならどうにかして稟議通したいから、何度も通って内情を聞かせてもらうんだよ。上司には1人の客に入れ込みすぎだって何度も怒られたけどね。」
「幸太くん、気づいてないかもだけど、それが幸太くんの得意の一つちゃうかな?」
「え?今、上司に怒られたって話しかしてなくない?どういうこと?」
「あのね…
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ばあちゃんの道しるべ
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主人公がどん底の状態から、自分のやりたいことを見つけていくお話
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