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これからの時代の"おしごと"論

◇NOTE◇
このマガジンを始めるきっかけ→
時系列ガン無視で綴るリアルストーリー(氏名は仮)

前半は当時の心境そのままに、
後半は当時を振り返る
そんな二部構成となっております。

2014.9

◇characters◇
菅田陵子(age 29) わたし 病院経理課
上川部長(age ??) たぬき 病院本部長
熊川さん(age 32) 先輩  病院人事課

◇location◇
ミナミでシースー


(たぬきが出てくる他エピソード)


(わたしが病院へ異動となったエピソード)


- たぬきの誘惑


普段は部長室に籠るか、
会議で大学本部の方へ出ずっぱりで、

職場では顔を合わすことなど滅多にない上川部長。


そんな部長が珍しく、
経理課のカウンターに来てわたしを手招いてきた。

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『菅田〜美味しいお寿司食いたくないか?』


そんなことを言われて、
拒否する人間などこの世にいるのだろうか?



『熊川も連れて行くから、
 5日の夜空けとけよ〜』



熊川先輩は、いつもわたしや部長が飲み過ぎるのを
ストップしてくれるありがたい存在。


"先輩も来るなら安心だな〜
 お寿司と日本酒楽しみだ〜"

と浮かれていたわたし。



この時点ではすっかり忘れていた。

上川部長が、
たぬきだということを。

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(この標識を職場内の至る所に設置したいw)

- 美味いものに釣られてたぬきに化かされた






捌かれるのを見ながら、お寿司をもぐもぐ。。

していると、




『よし、食ったな……ニヤリ』

と悪い顔をしながら、
自ら化けの皮を脱ぎだした部長。



戸惑っているわたしを全く気にする様子もなく、
目の前に差し出された一枚のA4用紙。

在学生向けイベント:
実際に官公庁で働く先輩に聞いてみよう


『在校生との座談会に
ファシリテーターとして参加して欲しいんや。

俺も応援団の先輩に頼まれてな〜
頼むわ〜寿司食べたやろw』




わたしも部長も、
実はここの大学の出身者。


それもあってか、
よく飲みに連れていってくれるのかもしれないが、

なんともまぁ厄介なことを言ってきたもんだ。




ファシリテーターって何だ?

という疑問が、
酔っ払いの頭を駆け巡っていたけれど、

お寿司を食べてしまった手前、
もはや断るに断れなくなってしまった。

タダより高いものはない

ということわざを、身をもって体感した瞬間である。

- やりたくない大きな理由


"うちの卒業生でここで働いている人なんて
他にもたくさんいるのに、
どうしてわたしなんだろう??"


翌日から受けてしまったことを、
猛烈に後悔し始めた。


前に出ることが大の苦手であったことも、
受けたくない理由の一つであるが、

この職場を自信を持って後輩に紹介できない


ということが、大部分を占めていた。


だってわたしがこの職場を選んだのは、
ハイパー後ろ向きな理由だったから。



"不純な動機で働いているわたしが、
 そんな場に出てもいいのだろうか?"


この時抱いた不安は、
後にわたしにとって大きな影を落とすことになる。


Now

- なんとかやり切ったファシリテーター


ファシリテーターの中にいた同期生。
とある県庁の知事の秘書をしていた彼女。

自分の仕事に誇りややりがいを持っていて
キラキラ度が半端なかった。



そんな彼女と自分の状況を比べてしまって、
とても惨めな気持ちになってしまったことを

今でもよく覚えている。



確か在学生に対して、
自分の職場をアピールをする場面があったのだが、

当時のわたしはなんと答えたのだろう?


もう全く覚えていないし、思い出したくもない。


- 他人に推せない仕事をやり続ける自分


この仕事に疑問を感じたきっかけはいくつかあるが、

この座談会は間違いなく辞めるきっかけの一つに
挙げられる。

他人に推せない仕事
ルーティンをただこなしていく仕事
そして周りはキワモノぞろい


そんな仕事をしている自分。

そう考えるだけで、
どんどん心の中に澱が広がって行くのだ。




寝る時間を除けば、一番長くいる職場。

当時のわたしは楽しんでいたと思っていたし、
周囲からもそう思われていた。



が、それは損得勘定で動いていただけに過ぎなかった。

給料はいいし
休みは取りやすい


そんな風に自分を騙し続けていたが、

この座談会に参加した頃から、
急速に目が覚めていったのだ。




頭では仕事に対しメリットを感じていた。


けれど、

心はもうずいぶん前から死んでいたのだ

と、今になって思う。


- 今の仕事について考えてみる


一般的な仕事とは呼べないかもしれないが、

今わたしがやっているマトメ業は
ハイパー楽しんでやっている。



マトメへのこだわりや情熱を語れと言われたら、
いくらでも話せる気がする。


結局仕事ってそういうものなんだと思う。

自分が楽しんでできて
何ならそれが人のためになって
ワクワクのバイブスが循環していく


齢37歳にしてようやく分かってきた。


仕事が私事になって、やがて志事になる

なんて巷ではよく言う話ではあるけれど、

これからは”推し事”にできるかどうかが、
仕事を選ぶ基準になるのではないのかなと思います。



さてさて。

あなたはその仕事、自信を持って推せますか?


(こちらも併せてどうぞ)



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