これからの時代の"おしごと"論
2014.9
(たぬきが出てくる他エピソード)
(わたしが病院へ異動となったエピソード)
- たぬきの誘惑
普段は部長室に籠るか、
会議で大学本部の方へ出ずっぱりで、
職場では顔を合わすことなど滅多にない上川部長。
そんな部長が珍しく、
経理課のカウンターに来てわたしを手招いてきた。
『菅田〜美味しいお寿司食いたくないか?』
そんなことを言われて、
拒否する人間などこの世にいるのだろうか?
『熊川も連れて行くから、
5日の夜空けとけよ〜』
熊川先輩は、いつもわたしや部長が飲み過ぎるのを
ストップしてくれるありがたい存在。
"先輩も来るなら安心だな〜
お寿司と日本酒楽しみだ〜"
と浮かれていたわたし。
この時点ではすっかり忘れていた。
上川部長が、
たぬきだということを。
(この標識を職場内の至る所に設置したいw)
- 美味いものに釣られてたぬきに化かされた
捌かれるのを見ながら、お寿司をもぐもぐ。。
していると、
『よし、食ったな……ニヤリ』
と悪い顔をしながら、
自ら化けの皮を脱ぎだした部長。
戸惑っているわたしを全く気にする様子もなく、
目の前に差し出された一枚のA4用紙。
『在校生との座談会に
ファシリテーターとして参加して欲しいんや。
俺も応援団の先輩に頼まれてな〜
頼むわ〜寿司食べたやろw』
わたしも部長も、
実はここの大学の出身者。
それもあってか、
よく飲みに連れていってくれるのかもしれないが、
なんともまぁ厄介なことを言ってきたもんだ。
ファシリテーターって何だ?
という疑問が、
酔っ払いの頭を駆け巡っていたけれど、
お寿司を食べてしまった手前、
もはや断るに断れなくなってしまった。
ということわざを、身をもって体感した瞬間である。
- やりたくない大きな理由
"うちの卒業生でここで働いている人なんて
他にもたくさんいるのに、
どうしてわたしなんだろう??"
翌日から受けてしまったことを、
猛烈に後悔し始めた。
前に出ることが大の苦手であったことも、
受けたくない理由の一つであるが、
ということが、大部分を占めていた。
だってわたしがこの職場を選んだのは、
ハイパー後ろ向きな理由だったから。
"不純な動機で働いているわたしが、
そんな場に出てもいいのだろうか?"
この時抱いた不安は、
後にわたしにとって大きな影を落とすことになる。
Now
- なんとかやり切ったファシリテーター
ファシリテーターの中にいた同期生。
とある県庁の知事の秘書をしていた彼女。
自分の仕事に誇りややりがいを持っていて
キラキラ度が半端なかった。
そんな彼女と自分の状況を比べてしまって、
とても惨めな気持ちになってしまったことを
今でもよく覚えている。
確か在学生に対して、
自分の職場をアピールをする場面があったのだが、
当時のわたしはなんと答えたのだろう?
もう全く覚えていないし、思い出したくもない。
- 他人に推せない仕事をやり続ける自分
この仕事に疑問を感じたきっかけはいくつかあるが、
この座談会は間違いなく辞めるきっかけの一つに
挙げられる。
そんな仕事をしている自分。
そう考えるだけで、
どんどん心の中に澱が広がって行くのだ。
寝る時間を除けば、一番長くいる職場。
当時のわたしは楽しんでいたと思っていたし、
周囲からもそう思われていた。
が、それは損得勘定で動いていただけに過ぎなかった。
そんな風に自分を騙し続けていたが、
この座談会に参加した頃から、
急速に目が覚めていったのだ。
頭では仕事に対しメリットを感じていた。
けれど、
心はもうずいぶん前から死んでいたのだ
と、今になって思う。
- 今の仕事について考えてみる
一般的な仕事とは呼べないかもしれないが、
今わたしがやっているマトメ業は
ハイパー楽しんでやっている。
マトメへのこだわりや情熱を語れと言われたら、
いくらでも話せる気がする。
結局仕事ってそういうものなんだと思う。
自分が楽しんでできて
何ならそれが人のためになって
ワクワクのバイブスが循環していく
齢37歳にしてようやく分かってきた。
なんて巷ではよく言う話ではあるけれど、
これからは”推し事”にできるかどうかが、
仕事を選ぶ基準になるのではないのかなと思います。
さてさて。
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