First Contact
「修二くんは会社いくつも経営して、本当にすごいよね。なんか成功者って感じ」
「全然女っ気なかったのに、最近可愛い彼女もできて、順風満帆すぎじゃない?」
ダメだ、止まらない。お酒が入っているとはいえ、僻みっぽい自分が本当に嫌だ。こんなこと言っても修二くんは怒らない。俺はその優しさにいつも甘えてしまっている。
俺が一通り吐き出すのを待って、修二くんはにこやかに口を開いた。
「俺もね、今まで失敗したり迷ったり散々してきたよ。人生で立ち止まりそうになったとき、実はばあちゃんに相談してたんだ」
ば、ばあちゃん?
じいちゃんとばあちゃんは小豆島でそうめんをつくっていたが、今は修二くんのお父さんが継いでいる。じいちゃんがなくなって、のんびり隠居生活をしているばあちゃんに一体何を相談することがあるのだろう。
俺の顔がハテナで埋め尽くされているのを見て、修二くんは吹き出した。
「そうか、幸太はばあちゃんとこあまり行ってなかったから知らないのか」
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ばあちゃんの道しるべ
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主人公がどん底の状態から、自分のやりたいことを見つけていくお話
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