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歴史を辿る「インターネットとメタバース(3)」 Windows95とブラウザ

ブロックチェーンやNFT、Web3.0、メタバースといった言葉を散見するようになりました。いったいこれらは何なのでしょうか?


歴史を辿り今を知る。「インターネットとメタバース」3回目の今回は、90年代から2000年代に起こった出来事を綴っていきたいと思います。


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1990年にアメリカがインターネットの商業利用を開始しました。これを皮切りにそれまでは研究者など一部の人しか使えなかったネットワークが一般に広がっていくことになります。


日本でも1993年にインターネットの商業利用が始まりました。


しかし、インターネット黎明期に日本ではこう言った声もあったようです。

「インターネット?え!?なにそれ?電話でいいじゃん。FAXでいいじゃん。」

「ホームページ?なにそれ?売れるの?」


ネットワークの利便性に気づいている人は限られた人だけだったようで、そんな世の中に衝撃を与えたのがWindows95の発売でした。


1995年11月に発売された日本語版Windowsは報道でも大々的に取り扱われ、いち早く手に入れたい人たちが深夜にもかかわらず大勢並んだ光景は、当時中学生だった僕にとってもかなりインパクトのある出来事でした。


このWindows95が素晴らしかったのはPCのウィンドウ画面やマウス操作、いわゆるグラフィックユーザインターフェース(GUI)にあります。日本はこの頃文字ベースのPCもしくはワープロが一般的に使われている時代だったので、GUIの登場にはそれはそれは衝撃だったことでしょう。


ちなみに補足ですが、世界初のGUI搭載PCは1983年にアメリカで発売されたAppleのLisaです。Windows95が最初のGUI搭載PCと思っている方がいますが実際は違います。


話を戻します。


Windows95はGUI以外に通信の取り決めである通信プロトコルにTCP/IPを採用していたことも重要なポイントとなっています。


TCP/IPプロトコルの登場で乱立していた通信プロトコルが標準化されました。このプロトコルがWindows95にも採用されたとあって「Windowsの普及と共にインターネット利用者も増えていく」そんな構造が出来上がりました。


PCの普及、そしてインターネットの普及、両者に一役買ったWindowsでしたが、肝心のブラウザは色々と問題だらけでした。


WIndowsと言えばInternet Explorer(以後IE)ですが、IEは常々Webデザイナーから不平不満が挙がるブラウザでした。独自仕様の機能がついていたり、バグが多かったりと問題だらけだったんですね。


90年代のブラウザはNetscape Navigator(以後NN)というブラウザが世界でもシェアー数Topを走っていましたが徐々にそのシェアーがIEに奪われてしまいます。


WindowsのPCを買えば抱き合わせでついてきますからね。自然とシェア数は増えていきます。そして2004年までの間にIEが市場をほぼ独占してしまいました。


勝利の理由はバグが多かったとはいえ開発の利便性が高かったことが挙げられます。NNは有料でかつ開発の利便性が低かったんですね。


しかしIEの独占状態は長くは続きませんでした。後発であるAppleのSafariやMozilla Firefox、Google Chrome、Operaと言ったブラウザにどんどんシェアーを奪われてしまう状況となります。


乱立するブラウザ。使いやすさやセキュリティの強化、PC以外にもスマートフォンやタブレットの登場と端末の多様化が進む中、2010年代には最終的にGoogle Chromeが市場占有率トップとなります。


ChromeがTopに立てたのは最もユーザー体験を重視して開発されてきたことが一番の理由だと思っています。


何より動作が軽量で速かったこと。渇望されていたタブブラウザを標準搭載してきたこと。更新頻度が高い、拡張機能を有し機能追加を行えるようにしたこと、いち早くマルチデバイス対応し、設定をクラウドで同期できるようにしたこと。


そう言ったことを次々と実装していったブラウザなんですね。


IEは既にサポートが終了し、Microsoft Edgeに置き換わりましたが、このブラウザ実はGoogle Chromeと同じエンジンであるChromiumに置き換わりました。


Chromiumは名前からもわかるように、Googleによって開発メンテナンスが行われているものです。Microsoftがこのエンジンを選んだことから、結果ブラウザ覇権はGoogleが握ることとなりました。


今回はここまで。


次回はブログやSNSの台頭、wikiといったWeb2.0と呼ばれる辺りの話をしたいと思います。


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Top画像:ストックフォト


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 参考文献


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