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チビとの130回キャッチボール

「130回!!」
チビが叫びました。

「何回目指す?」
と聞いたら即答でそう答えたチビ。


チビと家の中でキャッチボールしました。
キャッチボールと言っても野球ボールではなく
30cmくらいの大きいゴムボールです。


ボール遊びを通して
取ると投げるが
だんだん上手になってきたチビ。

キャッチの回数を数えたら
チビに何か変化が起きないかと思い
試しに回数を数えてみることにしました。


地面についたら1から数え直しです。
チビがキャッチしたら1回。
続けて僕がキャッチしたら2回。


1かーい、2かーい、3かーい…。
と続いていきます。


これがうまいことチビにハマりまして
だんだん目つきが変わり始めました。
ボール投げをがぜんやる気になったチビ。


130回を目指すと言ったものの
僕は何回でも付き合おうと思っていたので
例え100回だろうと否定はしません。

しかし、なぜ100回ではなく
130回なのかは良くわかりません。
チビもまだそこはうまく説明できない…

「35回、あー!!!」

「23回、あー!!!」


何回も何回も
何回も何回も
トライし続けました。


そしたら、まさかの

「100ー!!!」

「やったー!!」
2人でめちゃくちゃ笑顔になります。


キリのいい数字、100回。
まさか本当に100まで到達できるとは…

途中、チビの投げたボールが変な方向に飛んでいき
思いっきり腕を伸ばして体ごと滑り込む
なんてこともありましたが

100回、感無量です。


チビより僕が熱くなる状態。笑
心を落ち着け、チビにもう一度確認します。

「130回まで残り30回!」


チビも

「うん!」

と。

101かーい、102かーい、103かーい…


いい感じです。
100回達成して、動きに変化があるかと思いきや
安定してキャッチ&スローするチビ。

109かーい、110かーい、111かーい!


「え!?ええええーーーー」

思わず声を上げる僕。
地面にポトっと落ちるボール。


突然、チビが両手で持っていたボールをパッと手放しました。


僕の頭中、混乱。


130回を目前に、突然キャッチボールをやめたチビ。

「ど、どうしたの!!!?」


「山手線」


「ん!?」


「11両編成。」


東京都内を走る、山手線。
ぐるぐる、ぐるぐる周回する電車、山手線。
1周1時間弱の、山手線。


この山手線に走る電車の車両が11両編成なんです。


11という数字に反応したチビ。
ピーンときたチビはその場でキャッチボールを
やめてしまいました。


電車が大好き、うちのチビ。
キャッチボールより、山手線。
130回より車両数。


今まで積み上げた数字なんて関係ありません。

あるのは、自分の好きな電車のこと。


その後、100回はもとより
40回に到達することもありませんでした…。


子供心、ほんと侮れない。笑。



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