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映画備忘録vol.3 『タリーと私の秘密の時間』

邦画を立て続けに観ていたので、久しぶりに洋画を観たくなり、ずっと観よう観ようと後回しになっていた映画を観た。

『タリーと私の秘密の時間』
シャーリーズセロンは個人的に好きな女優さんで、モンスターでオスカー取った時のスピーチがとても印象に残っている。
とにかくシャーリーズセロンのあの役作りがすごい。
痩せることも大変だと思うけれど、あそこまで太る役作りをできる女優さんはなかなかいないのではないか。
物語のテーマ性は現代の日本にも通ずるもので入り込みやすかった。
意外性あり、奥深くなかなか見応えのある映画だと感じた。

『真実の行方』
ふと思い出し、また観たくなって見返した。
24年前の映画。
今観ると、内容もさほど珍しい映画ではなく、途中まで単調な感じはあるが、当時はセンセーショナルで度肝を抜かれた。
これもやはり私の心にパンチをくれたのはエドワードノートンの演技。
24年経った今でもそれは変わらない。

ミステリーやサスペンスはネタバレせずに感想書くのはなかなか難しい。ので、ネタバレありの感想は一番下に記載。

ふと、私が観たい映画を探すときには特徴があるのを発見した。
もちろん話題作や友人の勧めも観るのでそれは別として、自分で探す場合。
邦画は監督から探すことがほとんど。でも洋画は監督からより俳優からが多い。
もちろんそれぞれ逆で探すこともゼロではないけど、邦画はその物語の内容や構成、全体のバランスで選んでいるのに対し、洋画は俳優の演技力で選んでいることが多い。
真実の行方を観た後、ファイトクラブはエドワードノートンが出ているから観たし、今回タリーを観た後、スキャンダルが観たいと思った。
だから次から次に観たい映画が増えるんだな。
さて今日は何を観ようか。

ここから先はネタバレあり。

『タリーと私の秘密の時間』
育児の孤独。これは多くの女性が抱えている現実であり、それを生み出すのは育児に無関心なパートナー。
他にも要因はあるにせよ、それが断トツであることをこの映画で感じる。
これは、特別な環境が生み出すものではなく、ごく普通に起こること。
良き母、良き妻でいたい、という想いが強ければ強いほど、自分に負荷をかけていく。
過ぎてしまったり、外側から見れば、いくらでも改善できそうに思えることだけれど、当事者にとってみればそれがすべてである。
それは思春期の若者がその時に感じるものと同じではないか。
こどもを持つ女性として、これはかなり入り込みやすい映画だった。
そしてやはりシャーリーズセロンの役者魂。
それがこの主人公の真面目さと重なり、演技を超えた一人の人格を作り上げているように感じた。

『真実の行方』
多重人格という存在を初めて目の当たりにした映画だったように記憶している。
何よりエドワードノートンの演技がすごくて、ロイに変わるシーンはぞっとする。むしろ、そこしか記憶になかった。
そしてそこで終わらないラストシーン。
あそこですべてが疑問になる。
どこまでが本当でどこからが嘘なのか。
わからないままに終わるのに、なぜか不快ではなかった。
わからないから余計にもう一度観たい、と思わせてくれる、そんな映画だった。

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