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映画備忘録vol.2 『邦画に魅せられる』

こんな時は大好きな映画鑑賞にも時間が取れる。
友人に教えてもらったり、どこかでオススメだったりして、いろいろ見ているのだけど、最近は邦画に観ハマっている。

『羊と鋼の森』
言葉の美しさ。映像の美しさ。
間合い。音。
映画を観ているというより、詩を聴いてる感覚。
邦画は映画館でなくても楽しめるものが多いと感じるけど、この映画は映画館で観たかった。
いや、パソコンでも十分素晴らしさを感じたけど、映画館だったら、音の響き、映像の美しさ、それが倍増していただろう。
その中で、とても心に響いた言葉がある。職人としての才能について悩む主人公に対しての先輩からの言葉のくだり。
私自身も写真家という職人であり、才能というものについて自信を失うことがある。この言葉はポーンを自分の中に入ってきた。
原点だな。
全体のトーンがとても好きな映画だ。

『リトルフォレスト』
暮らすことの楽しさ、そして意味みたいなもの。
暮らしを見直したくなる。
リズミカルなキッチン。それ味見したいと何度も思う。
季節と向き合う人間の知恵。
当たり前に便利な毎日を過ごす現代人にとって、これほど新鮮な絵はないんじゃなかろうか。

『あん』
自分にも起こりうる現実の非情さについて考えさせられる。
俳優の微妙な心理状態の演技力。
働くということの価値。
心に訴えかけられるものが多いが、それが鬱陶しくないのは、やはり間合い、ではないだろうか。
そしてこの映画を好きだと感じたのは、やはり音。
餡を炊いている音。
粉を混ぜている音。
エプロンを締める音。
足音。
声。
それらが全体の重さを包み込んでくれている。ように感じた。

邦画の良さは、日本語の美しさを感じられるところ。
情景や音も素晴らしいものが多い。
ハリウッド映画の迫力や技術も見応えあるけれど、私の心に響くのは五感すべてに響くもの。日本映画にはそれを多く感じる。

さて、今日は何を観ようかな

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