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忌克にして威少なし

忌克にして威少なし
「人に勝とうとする気は強いが、人を畏敬させることはできない」という意味で、曹操が袁紹について語った言葉。他にも、野心はあるが智力に欠ける、兵は多いが組織がなっていないなど、袁紹の弱点を見出して、兵の数で負けている味方な不安を払拭して勝利へと導いた。

間もなく東京都知事選挙が始まる。現時点で多くの新人候補が名乗りをあげて、小池都政に対し異を唱えたり、独自の政策を打ち出したりしている。東京都知事選挙は日本の政治経済の中心であり、約1400万人と日本の人口の1割以上が暮らす東京都のこれからを決める選挙になるため、首都圏はもちろんのこと日本全国で注目される選挙となっている。

現職の小池都知事は、知名度の他にも都民ファーストの会をはじめ多くの支援団体が後押しすると思われることから「大軍の将」とも言える。これに対し新人候補は大なり小なり支援団体はあるものの、現職の持つ組織力には及ばない。智力や組織力を持つ現職に対して新人は野心だけでは勝つことは到底困難である。新人候補も政策を打ち出せる智力は持ち合わせている(と信じたい…)ので後は「威」によって差がつくのではないだろうか。この場合の「威」は威厳などで使われる「自然に人を従わせるような厳かさ」であって、威圧や威嚇で使われる人を恐れさせる強大な力の意ではない。言い換えてしまえば、この人なら期待しても大丈夫という信頼を得るということではないだろうか。そのためにも限られた期間で積極的に人と会い威風を示すことが大事なのではないだろうか。昨今見られる妨害的な行為などや、夢中になるあまりに相手候補の誹謗中傷では信頼は勝ち取れないし、違反行為などは論外である。選挙に立候補するからには勝つつもりでやるのだから「忌克にして威少なし」とならないよう、人に勝とうとする気持ちと人を畏敬させる威を有権者に如何に示していくかが大事なのではないだろうか。


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