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過疎対策

先日、城里町にある徳蔵寺に参拝してきました。鎌倉時代の初期、笠間地方では真言宗の正福寺(笠間市)とここ徳蔵寺の争いが絶えず、正福寺は百坊、徳蔵寺は三百坊といわれる勢力で抗争を繰り返したことで知られる歴史のあるお寺です。自宅からだと片道約30㎞とドライブにはちょうどいい距離。途中には物産展もあるので、この時期であればアイスを食べながらドライブにはかなりオススメ。今回の目的はドライブではなく人に会いに行くことだったのでアイスはまたの機会に。ここ城里町は平成の合併により一町二村が合併した町。合併時には約22000人いた人口も現在で約17000人まで減少し、2050年には10000人を下回ると予想され「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」で過疎地域に指定されています。県都である水戸市に隣接しながら人口減少が著しい城里町は今後どうやって行くべきなのかを考えながら過疎について考えてみたいと思います。


過疎とは

過疎は高度経済成長期において農山漁村地域の若者が仕事を求め都市部に移動をしたことから、人口が減少し地域の生活水準や生産機能が維持できなくなる地域が出てきたことから問題視されるようになりました。現在では国全体において人口減少や少子高齢化が進んでいることからより深刻な問題となっています。過疎法では「過疎地域市町村」「過疎地域とみなされる市町村(みなし過疎)」「過疎地域とみなされる区域のある市町村(一部過疎)」を定め様々な対策をしています。城里町は一部過疎。

なぜ過疎対策が必要なのか?

過疎地域を想像していただきたい。風光明媚な景色や牧歌的な生活スタイルなどを想像する方が多いのではないでしょうか。過疎地域は国土の大半を占め、豊かな自然に恵まれていることから、都市部への食料、水、エネルギーなどを供給しするだけではなく、国土や自然環境を保全していることから地球温暖化、都市部への災害防止など多くの機能を持ち合わせいます。しかしながら、東京一極集中に見られるように都市部に人口が流出していることからこれらの機能の維持だけではなく、地域の歴史や文化を継承することも困難になるために対策が必要とされています。

どうする過疎対策

日本全体で人口が減少し高齢化も進み続ける中において、今すぐ過疎を解消するのは困難だと思われます。だからと言って何もしなければ自治体の維持が困難になることは火を見るより明らかです。人口減少に歯止めをかけるために産業振興、雇用拡大、子育て支援などの施策を積極的に進め、医療、交通も整備し安心・安全に暮らせる生活基盤を確立していくことも重要です。農林漁業などの地域を活かした産業振興を支援しながら地域の雇用を創出し、また観光資源とすることによる都市部との関係人口、交流人口の拡大。また、デジタル化による社会システムの効率化など多くの課題が山積しています。それらの施策を過疎地域が実施するための財政的支援を国がしっかりと行うことも重要になります。その他にもイノベーションによる新たな需要の掘り起こし。城里町のように山間地域は小径木材のロングスパン構造や長寿命化を可能にした技術や改質リグニンなど森林資源を活かせるように技術革新に注目すべきかと。

おわりに

以前、国内外のあらゆる政策課題に対する政策提言の勉強会にて様々な問題を議論したときに「イノベーションがカギ」という意見が出たことがある。当然イノベーションによってあらゆる問題を解決するのは大事だが、今ある技術を如何に活用しながら問題解決を図っていくかというのが今の自治体には求められている。そのためにも様々な情報を入手するためのアンテナを高くしながら日々過ごしていくのも大事なのではないかと思います。

おまけ

県都水戸市に隣接する自治体として大洗町があります。ここは城里町とは違い山間地域ではなく海に面した自治体。過疎地域に指定されてはいないものの、人口減少の波は当然訪れている。しかしながら、現職町長のその類まれなる行動力によって1期目にも関わらず何かと注目を集めているのが大洗町だ。今朝の新聞で町長が2期目に挑戦すると書いてあったので微力ながら応援したい。頑張れ、國井豊町長!

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