見出し画像

精神病持ちを受け入れるリスク(10/1 顛末)


勤務先の管理会社は管理物件をいくつか持っています。どれもシェアハウスです。ドヤよりは安い家賃ですが、競合のシェアハウスと平米単価は同じぐらいです。でも、2~3畳だとさすがに客がつきません。逆に5~6畳ある部屋は10年近く住んでいる人がいます。壁を壊して、再度区切りなおすのが最適解ですが、ポンプ室がある部屋で、ウナギの寝床のような建物なのでそれも難しいです。

「生活保護で入れてほしい人がいるのですが」

そんなあるとき電話がかかってきました。区役所の人です。条件を色々聞いてみると部屋をある理由で追い出されたそうです。渡りに船のばかりにある部屋を見せました。その部屋は入り口まで近く、そこそこきれいだったので、即決で決まりました。普通、2~3畳の部屋には区役所も住宅扶助を出さないのですが、すんなりと出してくれました

「部屋が見つかってよかったね」
「うん」

ケースワーカーのおばちゃんと入居者のおばちゃんが話してます。入居者のおばちゃんに鍵を渡して、事務所に戻ろうとしたところ

「あの人いれない方がいいよ。ものすごく物音立てるから」

と近所の人から忠告されました。とはいえ、物音程度のトラブルは慣れてます。トラブルがひどければ代わりのアパートを探せばいいだけです。生活保護なので区役所が全額出してくれます。



それから数日後、掃除のために管理物件に訪れると服やら食いさしやら、おむつやらが管理物件の前に転がってました。同じ物件に住んでる入居者から「新しく入った人がテレビ垂れ流しでうるさいんだが、しかも、ネズミが仰山出るようになった」といわれました。掃除をしたうえで社長に報告し、大家もそれを知ることになりました。

「あのババアのせいで苦情が仰山来とる。どうしてくれんじゃワレ」

このまま追い出しフラグかな。あのおばあちゃんの対応には疲れてたので、広告費と仲介手数料をもらって退去してもらうことにするかと思ってましたが、取引先の管理会社にババを押し付けることになります。そんなことした日には管理会社から取引を断られ、収入源の一つを失ってしまいます。それは困るので他の管理会社の物件を探すことにしましたが、そんなババを引き取りたい管理会社などいません。もちろん、大家にとってもいい迷惑です。

どうしたものかと悩んでいると退去者が次から次へ出ました。理由を聞いてみると騒音が原因だそうです。

「あのババアさっさと追い出せ。空室ができとるやが」

大家が事務所に乗り込んできました。社長は大家を説得し、何とか事なきを得ましたが、空室が埋まるまで1年近くかかりました

結論

精神病持ちは自殺も怖いですが、症状によってはずっと壁に向かってしゃべり続ける人もいます。人によってはそのままごみをまき散らす人もいます。受け入れるなら覚悟した方がいいです。なお、受け入れ先は極端に少ないので、受け入れてしまえば退去は死ぬまでありません。

その後の顛末

その後、くだんの入居者は便座を糞だらけにするようになりました。掃除の手間が今以上に増え、大家からも苦情が来ました。くだんの入居者も最近ではおむつをはくようになり、不穏な言動がみられます。さすがにここまでくると面倒を見切れないので、社長に相談の上、どこかの施設に移ってもらうことになりました。退去後の部屋を見ると壁紙は黒く変色し、クッションフロアーも黒く変色してました。業者に頼むと10万円コースですが、原状回復費はなんと生活保護費からでません。すべて大家の自腹です。大家としてはできる限り費用を抑えたいし、こちらとしてもDIYのスキルを磨きたいので、最低限必要な部分だけ張り替えることにしました

追記:2024年になってから生活保護の場合でも清掃費用程度は出るようになりました。生活保護の案件で病死した人が一人いて、その処理に追われていたら、東京都から「清掃費用を出す」みたいな話が来て、チリ一つ落ちてない状態にしてくれました。なお、クロスのカビはどうにもならないようでそのままでした。

著作権について

文章の著作権は作者が保持しています。いらすとの著作権はいらすとやが保持しています


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?