【syuz'gen2.0への道】#02 制作者は必ずチームでなければならない

syuz'gen2.0までの道、第2回。

syuz'genという組織でこの4年間仮説検証してきたことは、「自由な働き方」かつ「ティール組織」かつ「チームであること」は可能か、(その集まる人々の共通項として「舞台芸術」をキーワードとする)ということでした。
ヤバイ組み合わせです。なぜ最初からスーパーエクストリームハードモードを選ぶのか分かりませんが、でもここに挑戦しないとあんまり意味が無いかなと思ってました。

「自由な働き方」も「ティール組織」も、それぞれ書けることめちゃくちゃあるので、そのうち書きますが、今日はとりあえず「チームであること」について。

制作者の仕事って、そもそも一人でやる仕事じゃないんですよね。(…じつは私自身もう「制作者」という言葉あんまり使ってなくて、アートマネージャーって言ってるので、これからはアートマネージャーでいきます…)

これは誰かがはっきりと言わないといけないと思ってます。ので、もう一度書きますが、アートマネージャーの仕事は1人でやる仕事ではないです、断言します。

syuz'genでの仕事に関してはどんなに規模感が小さな仕事でも、必ず2人以上アサインするということにしています。(同じポジションに他組織から人がアサインされて、そこでチームになっている場合は弊社から1人だけという例外も稀にありますが、それも他組織混合での「チーム」なんですよね。1人ではないです。)

アートマネージャーの仕事がチームであるべきと考える理由は、

・任される仕事の幅が広い(分業が効果を発揮しやすい)
・責任が重く、孤独に陥りがちなポジションである

ということが大きいです。

そして、これは経営者としての私の思いですが、この職業を「親の死に目に会えない職業にしてはいけない」ということも強いです。

縁起でもない話かもしれませんが、基本メメントモリで生きているので、常にいつ誰に何が起こるか分からない(自分もいつまで生かしてもらえるか分からないし)という思考なので、「親の死に目に会えない職業にしてはいけない」というのは自分の中でかなり比重が重いです。

これも2つ意味があって、

・親より先に死ぬようなことがあってはいけない(過労や突然死につながるような無理のある働き方はダメ)
・万が一、親に何かがあった時に「今すぐ帰ります」と遠慮なく言える環境でないといけない

たとえばあと2時間後に本番、まもなく受付開始、ここには自分しかいない、替わりになる人材、今すぐ相談できる人材がいない。「仕事を取るか家族を取るか」みたいな究極の選択をスタッフに絶対にさせてはいけない、これが経営者として絶対に譲れないところでした。

経営的なコスパでいうと、「制作料」が同じであれば、アサインする人数は少ない方が経営効率はいいのは言うまでもないですが。

でも、この「チームであること」は自分が想像した以上にはるかにむずかしいことでした。私自身、体育会系なノリで育ってきたので、同じ目的を持つ人が複数集まると自然にチームができると思っていたと思います。しかしsyuz'genで、いろいろな事業を各アサインメンバーで運営して、事業によってはチーム崩壊寸前のようなこともあったりして、「人が複数集まっただけでは、ただの‟集団”であって‟チーム”ではない」ということを初めて学んだのでした。

私自身がこれまでやってきたことは、「自分を中心にチームを作る」あるいは「自分がナンバーツーとしてチームをサポートする」ということばかりだったので、自分を中心としない形でスタッフ同士でチームを作ろうとして、うまく機能しないとき、あるいはそのチームが崩壊しかけたときに、私もそれに対してどうしたらいいのか本質的には分からないという状況があったのでした…。

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