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夏休みに殺された話

 9月です。待ちに待った9月!!何故こんなに9月が待ち遠しかったと言えば夏休みが終わるから!夏休み。子どもの頃はこんなに幸せなワードはなかったのに親の身になるとまさに過酷。以前どこかで『夏休みが終わったことにはしゃぐ親の写真(海外)』みたいな特集を見たことがあったんですが。その気持ちが痛いほどわかる。諸手を挙げてひゃっほうしたい。
 我が家には子どもが三人おり、そのうちの二人が小学生です。去年までは一人だったのに。去年はそこまで夏休みに苦しんだ記憶が無かったんですが、今年はありがたいことにお仕事をいくつかいただいており、所謂「修羅場」という奴を身をもって体験しました。子どもが家に居る。ただそれだけなのにどうしてこんなに大変なのか。どうして私は8月にも普通に仕事を入れてしまったのか?ばかなの?ばかなの?と己を殴りつけながら過ごす日々。
 「来年絶対に8月は予定をれるんじゃないぞ」という自戒を込めて何が大変だったのかと記録しておきたいと思います。

とにかく細切れにしか作業がデキない

 本当にコレに尽きる。普段ならば「いってらっしゃい」と子ども達を見送ったあとに家事ルーティンをこなしてから着席。昼休憩を挟みながら子ども達が帰ってくるまでの時間を仕事に当てることができました。しかし夏休みともなれば、おやはようからおやすみまで子どもが一緒。朝ご飯が終われば宿題に付き合い、ようやく作業に入れたと思ったら「お昼ご飯は?」コール。午後には週2~3回の習い事や図書館などの地味な送迎業務が捻じ込まれる。夕方になればもう一人の子どもである幼稚園児が帰宅。もはや何もする気が起きません。夏の暑さで肉体的にも疲れ切っており夜になればオフトォンでバタン。少しでも静かな時間を得なければメンタルが死ぬので無理矢理起き出して作業や趣味をこなしてみたりすると寝不足に。ぼけた頭で一切進まない作業。ジリジリと近づいてくる〆切り。追い詰められるメンタル。なんという負のスパイラル。ここが地獄の一丁目。大人にも夏休みをください(切実)

確実にメンタルを削り取る宿題のコーチング

 夏休みの宿題。子ども時代も嫌いでしたが、大人になっても嫌いのままになりそうです。添削はまだいい。確認するだけなので。しかし一番の問題はそもそも子どもに「宿題をやらせる」という部分につきます。とにかく座れ。集中して。空を見るなプリントを見ろ。こんな当然のことを伝えながらなだめて褒めて時には怒りの約1時間。小学校の先生を私は心から尊敬します。新学期には心付けとして諭吉を入れた祝儀袋を忍ばせたい。
 わからないと訴えられれば横に座って答えを遠回しに伝え、難しいと言われれば辞書を片手にかみ砕いて伝え、飽きたと言われれば「終わったら○○しよう」と餌で釣り。そういう親に私はなりたかったわけではない。時間にすればそうたいしたことはないのですが、宿題タイムが終わったあとはげっそりと心が削り取られます。即座に仕事モードに頭が切り替わるわけがない。あっという間に地獄の四丁目まで来た気分。

ごはんつくりたくない

 これ「どうして主婦なのにご飯つくりたくないの?」と悪気なく聞いてくる人も多いんですが、とりあえず1回やってみなよ。どんなに仕事がノっていても手を止めなければならない苦痛。家族全員の好き嫌いや直近のメニューを考えて懇談を組み立てる難解さ。必死に作ったのに子どもの食いつきが悪くて残される切なさ。片付けという新たに生まれるミッション。複合的な理由から導き出される真実はただ一つ「ごはんつくりたくない」
 自分が食べたいときに自分の食べたいものを作るならこんな気持ちにはなりませんて。普段は夕食だけだったのに夏休みは昼食も加わり、ゴリゴリにメンタルを削ってきます。唯一救いなのは朝食はヨーグルトとパンというルーティンが完成しているためにほぼセルフで食べてくれることです。なんていい子たちなんだろう。親の顔が見てみたい。

レジャーをさせなければという圧

 夏休みの宿題には「日記」なるものが必ずあります。夏休みに体験した非日常を綴るという奴です。もう今の私ならば適当に出来事をでっちあげて少しの感動と己の成長を感じましたという完璧な創作日記で誤魔化すところなんですが、小学生はそうはいきません。馬鹿正直に事実しか書かない。特に我が家の子どもたちは写実主義なので、絵日記などは「写真を見せろ」と言ってくる始末。妄想を膨らませろ妄想を!そんなんじゃ立派な作家になれないぞ!とわけのわからない檄を飛ばしたくなりますが我慢。結果として実際に何かを経験させなければなりません。
 また、夏休みが終わればお友だちと「○○に行った」「××をした」などという思い出話に花を咲かせる時間もあるでしょう。「ずっと家にいた」などという事態はやはり親心としても回避したい。つまりどこかに連れて行くという予定をギリギリのスケジュールから捻出しなければならない。しかも複数回。1回じゃダメなんですか。ええ駄目です。社会事情を考えると祖父母に丸投げするわけにもいきません。もはや必死。ずっと燃え尽き症候群。セミファイナルの方がまだ勢いがあるなと思うほどの瀕死。地獄を通り過ぎて煉獄までキチャッタ感。

とにかく8月は子どものものと思え

 夏休みに入ってすぐの7月はまだまだ子どもも学校気分が抜けておらず進捗ゆるめなのでなんとかなります。しかし8月。テメーはだめだ。親の都合で時間も物事も動きません。なので仕事は最低限。入れるとしても初稿などの長期的な没入を要するモノは絶対に入れてはいけません。約束だぞ!!!


 とかなんとか書いてますが、来年も同じようなことで苦しむんだろうなとかぼんやり思ってます。生きろ。

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