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白帯あるある「なんでエスケイプやガードから練習するんですか?」

ブラジリアン柔術を始めたての6ヶ月くらいは、「エスケイプを練習しましょう」と勧められます。なぜでしょう?

John Danaherから初心者へのアドバイス

AIの研究者で柔術の黒帯でもあるLex FridmanのYouTubeでJohn Danaherが初心者へのアドバイスとして、なぜエスケイプから練習をするのかを説明しています。

Danaherは話が長いので簡単にまとめます。彼によれば、初心者が最初に練習するべきはサイドポジションからのエスケイプ(*1)です。初心者は立っていても、簡単に倒されます。倒されたあと守るためのテクニックを知りません。ですから、すぐにサイドポジションを取られます。

いきなりバックやマウントまで行くことは、(特に手加減をしている場合は)少ない。ですから、サイドポジションを取られることが多くなります。ここで相手の攻撃を止めれば次の展開を生むことができます。そのためにも、ここでの攻防、つまり、サイドポジションでのエスケイプが重要になります。

ガードに戻してハーフガード

スパーリングでの攻防を考えると、単にエスケイプをするだけでなく、ガードまで戻す必要があります。ガードまで戻せば、一方的に相手から攻撃を受けることはなくなりますし、こちらが攻撃を仕掛けることもできます。

さて、どのようなガードを作るのが良いでしょうか?Danaherはハーフガードを勧めました。クローズドガードを勧めるひとも多いと思いますが、ハーフガードの方が戻すのが簡単なこと、攻撃のバリエーションも多いことを考えるとこれも一つの正解です。また、ハーフガードは、攻防で必ず生ずるポジションなので、どこかで集中的に練習をしなくてはなりません。さらにDanaherは、(1)サイドポジションからのエスケイプ、(2)ガードに戻す、(3)ハーフガードまでは、一連の流れになっており、それらを意識した上で練習すべきと強調しました。

初心者はボトム・ポジションの練習を多めに

この一連の3つの段階を踏まえ、Danaherは初心者にボトム・ポジションの練習を多くするように勧めました。理由は、初心者には経験もスキルもないので、トップ・ポジションをキープできないからです。スタンドだったら倒されますし、相手がガードを作ったらすぐにスイープをされてます。結果として、すぐボトム・ポジションをにならざるを得ないのです。ボトム・ポジションの練習では、先に紹介した3つの段階(サイドからのエスケイプ、ガードに戻す、ハーフガード)を意識すべきというのがDanaherの提案です。

まとめますと、サイドポジションを奪い合う攻防が鍵になるので、エスケイプとガードの練習が重要になるということになります。

おまけ

個人的にはハーフガードは身体的にツラく、パスされやすいので、体格や体力に自信のない初心者の方にはあまりお勧めしません(根性があれば別です)。ハーフガードは相手と密着するため、強いプレッシャーを相手から受けます。正直、痛いし苦しい。あと、片足が絡んだだけなので、パスガード一歩手前でパスガードされやすい。私自身は、ラッソーガードのような相手との接触箇所が多いオープンガードだと安全かつ相手をコントロールできるので、初心者が取り組むガードとしては良いように思います。



*1 Danaherの言葉ではpin escape

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