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あの「ゴツン」とグーでやる握手は何と言うんですか?

スパーリングをはじめるとき、ブラジリアン柔術では必ず握手をします。そのせいか、柔術をやってるひとは頻繁に握手をします。直接の触れ合いがあると、人と人の距離は近くなるので、こういう習慣があると親しくなりやすいです。

ブラジリアン柔術では、単に握手をするだけではなく、(1)最初の手を開いてお互いの手をはたくように合わせ、(2)お互いの拳をぶつけ合う握手をすることが多いです。上の図のような感じで、グーでゴツンとやるやつです。これは日本の道場だけでなくて、世界中の道場で見る習慣です。私は10カ国以上全てを足すと50を超える国内、海外の道場で出稽古をしてますが、どこでもだいたい同じです(日本だと単に握手をするだけのことも多いですが)。拳をぶつけ合う握手は、コロナ禍の影響で、以前より目にすることも増えましたね。

この握手を何て呼ぶのか?

「柔術の握手」とか「スパーの前にやるやつ」とか言いますが、英語だと "slap and fist bump"と言います。slap(スラップ)ははたく、fist (フィスト)は拳、bump(バンプ)はぶつけるです。だから、はたいて拳をぶつける、本当にそのままの名前です。ひとによってはhigh-five and fist bumpということもあります。high-five は手を挙げてパチンとお互いの手を合わせる挨拶ですね。

日本だとグータッチと呼ぶことが多いでしょうか。巨人の原監督がやりますね。

この握手の起源は?

slap and fist bumpは、グレイシーファミリーが育った地でもあるブラジル、リオ・デ・ジャネイロでサーファーたちが90年代に流行らせた挨拶です。これが柔術家にも広まったと言われています。ただ、実際のところは良くわかりません。ちなみにエリオ・グレイシーは単に握手だけをしていたそうです。

なお、拳をぶつけ合うfist bumpは、アメリカの黒人の間では昔からある挨拶です。ただ、それ以外の層にはあまり浸透していなかったので、2008年にオバマ大統領が就任したとき、大統領夫妻がそのfist bumpをして、けっこう話題になりました。そのときはネガティブな報道もありました。保守系の報道ではテロリストの握手とか言われてました。

それが今ではポジティブになっているので、時代は変わるのだな思っています。この間のバイデン大統領就任式でのミシェル・オバマとカマラ・ハリスが交わしたfist bumpにはすごくポジティブな雰囲気がありました

試合ではどうするの?

スパーの前には、基本的には握手か、slap and fist bumpをすると思います。試合ですと、試合前に握手をし、さらにコンバッチのあとにslap and fist bump をする人が9割以上です。コンバッチの後にしないひともいますが、マスター世代だとほぼ100%します。JBJJFやSJJJFがノーカットで全日本選手権などの試合動画を公開しているので、興味があったらYouTubeで確認をしてみてください。

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