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書籍「教養としての「数学Ⅰ・A」」を読む(その4)
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「関数」ってわかりずらい?
上記の「教養としての「数学I・A」」を読み進めています。
今回は、「第3章 因果関係を発見する 二次関数」を読みました。
私の推測ですが、もしかすると方程式で登場する未知数
x と、関数で出てくる変数x がごっちゃになってしまっているのかもしれません。
あー、なるほど。このあたりが関数をわかりづらくしている原因なんでしょうか。ましてや、プログラムに出てくる関数はもっとわかりづらいのかもしれませんね。
この書籍のp.74-85に関数についての丁寧な解説があります。これを読むと、関数の理解が進むかもしれません。
これを読んでもわからないときは、理屈はともかく、一旦関数はこんなものということを覚えてしまう方がよいのかもしれません。理屈は後からついてくることもありますので。
グラフの平行移動について
y=ax^2 のグラフをx 方向に+p 、y 方向に+q だけ平行移動したいとき、移動したグラフの式はどうなるでしょうか。
よくある勘違いは、y=ax^2 のx にx+p 、y にy+q を代入するというもの。
でも、これはダメです。
なぜかというと、移動した先の(X,Y) という点はy=ax^2 上にないから。元のy=ax^2 に代入できるのは、あくまでy=ax^2 のグラフ上にある点だけです。
なお、
これ、結構やってしまう間違いですね。
でも、『元の
数学が苦手な人と得意な人の違い
数学が苦手な生徒が式変形の問題を解く様子を観察していると、何の見通しもなく式をこねくり回しています。こねくり回しているうちに、運良く解けたらラッキーという感じです。
一方、数学が得意な生徒は、いきなり計算を始めません。最終的にどんな形の式をつくりたいのか、きちんとイメージした上で計算を始めます。
この「イメージ」は大事ですね。逆に言えば、イメージさえできれば数学の問題をほぼ解いたといっても過言ではないかもしれません。
最大値がない理由
ここが引っかけで、定義域は
(-1 \leq x < 2) 、つまり-1 以上2 未満です。x がちょうど2 のときは定義域から外れます。それなら、最大値は3.99 とか3.9999\cdots \cdots といってもよさそうなものですが、数学はそういう曖昧さを嫌います。1つに決まらないのだから、「最大値はなし」がこの場合の答えです(もちろん、定義域が-1 \leq x \leq 2 なら、最大値は4 です)。
この説明で少し気になったのですが。
最大値がない理由として「1つに決まらないのだから」となっていますが、そもそも最大値は「決まらない」という方が正しいのではないでしょうか。
「1つに決まらないのだから」と言ってしまうと、最大値の候補がたくさんありすぎて1つに決められない、といったニュアンスになってしまうので。
二次方程式の解の公式を導く
二次方程式の解の公式に見覚えがある人は多いと思いますが、この公式を自分で導き出せる人は少ないものです。
二次方程式の解の公式の導き方をご存じない方は、この書籍のp.103に解説がありますので、是非一度確認してみてください。これを行うことは、今後、数学を学ぶ上で大事な過程だと思います。というのも「数学の公式を導く」という行為は数学を学んでいくとき何度も行いますが、その最初がこの「二次方程式の解の公式を導く」だと考えるからです。
公式の導出ができると、意外とうれしい気持ちになるんですよね。達成感が味わえるというか。そんな体験を是非味わってもらいたいなと思います。
実際、この書籍にも
社会人が数学を勉強しなおす際は、プロセスを追って公式を導く面白さをぜひ味わっていただきたいと思います。
とあります。やはり、数学を学ぶ上でこの公式の導出は重要なポイントなんですね。
今回は、ここまで。今回の話(第3章)は、「数学Ⅰ」で学ぶ二次関数のお話でした。「関数」というものは一度わかってしまうとそんなに難しくないと思うのですが、わかるまでの壁を乗り越えるのが大変のようですね。
次回は第4章について読み進めて、別途コメントしていきたいと思います。
MK's papa