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某予備校の個別指導で英語を教えてみた

この春から,友達の紹介で某予備校の個別指導で高校英語を教えていたりします.
4月に出された緊急事態宣言のおかげで本格始動は約一ヶ月半ほど遅れたのですが,それ以降はバリバリ働かさせてもらってます.
おかげさまで,今では本職である数学を差し置く勢いで英語の勉強に力を入れつつ,学んだことをバンバン生徒に教えています(数学をやれ).

働き始めてから約5ヶ月ほど経ち,色々と思うところも出てきたので,今回はそれらについて綴ってみようと思います.

(IELTS奮闘記みたいなnoteも定期的に更新してるので,よかったら覗いてみてね.)

そもそも,高校英語って難しい

これ,この記事でも少し言ったんですけど,高校英語で習う文法事項って結構深いところまでいってる気がするんですよね.
もちろん,その奥深いところまで到達できない生徒さんも多くいますけど,当然教える側としてはなるべく全てを把握しなければならないので…

さらにさらに,上位校を目指す人は英作文とかもしないといけないんですね!
僕が高専おるとき,そんなことほとんどなかったんやけど!
あと,思いのほか英検2級を目指してる人とかも多くて,そういう人も自由英作文を頑張らないといけなかったり…

世の高校生たち,結構英語の勉強頑張ってたんすね.
正直見くびっててすまんかった…

というか,僕が高専で学んでた英語は一体何だったのか…
いや,先生を責めるつもりはない(,というか編入対策とかでめっちゃお世話になったりした)けど,こういう所にも「高専生の英語のレベルが低い」ってのが現れているのでしょうか…

なにはともあれ,塾講師バイトを通して英語力はかなりついた気がしますね.
語学留学でも得られること多かったけど,英語の地力についてはこのバイトでよりついたと思います.
それだけ,「教える」という行為がいかに自分の勉強になるか,ということですね.

「勉強の仕方」が分からない生徒たち

※先に言っときますけど,生徒のことをバカにするつもりは毛頭ありません.勉強の仕方を教えることが出来なかった側が悪いので.

塾バイトを通して,いろんな生徒(せいぜい10人ちょっとやけど)を見てきました.
その中で痛感したのは,自分でどう勉強を進めていけば分からない子がすごく多いということでした.
だから個別指導を受講してくれてるってのはもちろん分かってますけどね.
「勉強の仕方が分からない」にも程度の差はありますが,中にはほぼ自分に丸投げ,めちゃくちゃ受け身な姿勢で授業を受ける人もいたりします.

テキストの解説を読んだり,先生の説明を聞いたりして「ふむふむ」言うだけが「勉強」じゃないですからね.
それはただ勉強した気になってる分かった気になってるだけです(ごく一部の天才を除いて).

本当に大事なのはこうしたインプットの後であって,問題演習を通して自分が学んだことを自力で引き出せるかを確認し,答え合わせを通して文法などに関する自分の理解と模範解答の解説との差を確認する.
その中で自分の問題点を洗い出し,それを潰すためにもう一度テキストを読み,そしてまた演習に取り組む…

これが,「勉強をする」ってことだと思います.

「何が分からないのか分からない」とはよく言ったものですが,こういったことをするだけでも,少なくとも自分の苦手な文法事項とかは見えてくると思うんですけどね…

自習ができる子かどうかは「質問の内容」で分かる

自習のできる子かどうかっていうのは,その生徒がしてくれる質問の内容とか,問題演習で解答の根拠を聞いたりすると,ある程度分かります.
生徒の理解を確認するためにも,どうやって考えて問題を解いたり英文を読んだりしているのかをよく質問しているんですけど,そういうときに「なんとなく」と答えられると,すごく悲しい気持ちになるんですよね.
僕としては分からないなりにも自分で考えて欲しいし,もし少しでも自力で考えてくれていたら,とてもじゃないけど「なんとなく」とかいう回答にはならないと思うので…
(例外的に,色々考えすぎて訳分かんなくなっちゃう人もいたりはしますけど,それはそれ.)

あと,質問は大歓迎なんですけど,ぶっちゃけ対応に困るのも少なくないんですよね…
まぁ,質問を全くしてこないっていうのは論外なんで,それと比べるといいかなって感じですけど.

ちょっとここで,僕の中の2大困る質問を挙げてみますね.

1.「テキストって何を使ったらいいですか?」

これに関しては,僕のテキストに関する知識不足ってのも正直あります.
実際,このバイトを通して受験テキストの種類の多さにびっくりしました.
なので,気持ちは大いにわかるんですけど,結局僕が勧められるテキストっていうのは「僕にとっての」良いテキストです.
その生徒にとって解説が分かりやすい,自習に使いやすいとかは,正直僕には分からないんです.
あと,テキスト選びによって,学習の進度だったり質だったりが劇的に変わることはないと僕は思ってます.
学習の本質は「自分で考える」ことにあるので,テキストはせいぜいその補助にしかなりません.

なので,僕は生徒にいつも
「実際に手にとってみて,テキストのレベルとか解説とかが良さそうやなって思ったテキストで構わないよ.どのテキストもそこまで大差ないから.」
とは最初に言ってます.
それでも,たいていは
「自分で探してみてもよく分からない」
「ハズレのテキストを選びたくない」
とか言われてしまいます.

こういう時には,僕の知ってる限りのオススメを教えます.
いやそれで良いかもなんですけど,正直「よく分からない」はこっちのセリフだし,あなたにとってのハズレが僕に分かるはずありません.

勘違いして欲しくないのですが,個人的なオススメのテキストは喜んで教えます
なので,
「オススメのテキストとかってありますか?」
という質問はそこまで困らないし,なかったら「ごめんやけど知らない」で済みます.
あと,この質問は裏を返すと「先生のオススメだけ聞いて,あとはこっちで考えます」という風にもとれます.
ただ,「どのテキストを使うべきか」っていう質問はすごく自分に丸投げされている感じがするし,「知らんがな」ってなってしまいます.

2.「この問題が分からなかったので解説してほしいです」

これも地味に困るやつで,特に長文読解のときとかに困っちゃいます.
解答の根拠を聞いて「なんとなく」って返されるケースも,これに当てはまりますね.
もちろん,こういう質問されたときに一般的な答えの導き方とかは教えられます.
ただ,これまでにも言ってきましたが,生徒本人がどう考えていて,どういった点に誤解や問題があるのかってところを見つけていかないと,いつまで経っても学習は進んでいきません.

こういう質問をされたときは,例えば4択問題のときだと正解への辿り着き方に加えて,他の選択肢がなぜ間違いになるのかっていうところをなるべく解説するようにはしてます.
ただ,そうするとどうしても時間がかかってしまうし,時間かけた割には本人の抱える誤解にあまり関係なかったりする可能性もあるので,めっちゃ効率が悪いんですよね.
この効率の悪さは長文読解のときに顕著に出ますよね.
生徒が本文中のどの部分を誤解してるのかっていうのが本当に分からないので.

じゃあどう質問すればいいのかってことにはなるんですけど,
「ここまでは理解できました」
ってところを説明してくれるだけでも全然違うと思います.
こっちとしても「ここは分かってくれてるから,説明しなくていいな」ってなるので.

といった具合でしょうかね.
もちろん,そういった生徒たちにもできる限りのサポートはしたいんですけど,僕の出来ることといえば,せいぜい助け舟を出すくらいなもんです.
それを活かすも殺すも生徒次第なんです.
結局,自分自身の学習を進めていく上で,真の答えっていうのはその本人の中にしかないと思ってます.

ちなみに,新米ってのもあってあまり当たったことはないんですけど,ある程度勉強のできる子の質問はやっぱ違います.
自分の理解の仕方ををきちんと説明してくれるから,その生徒がどこを誤解しているのか,どう問題点を修正していけばいいのかっていうのがすぐに分かります.
もちろん,解答の根拠も(もし仮に間違ってたとしても)しっかりしてます.
そうなってくると教えててこっちも楽しくなるんですけど,まぁそういう子たちは基本的に個別指導を受講したりはしないですよね…

お世話になる/なるであろうテキストたち

最後に,バイトでこれまでお世話になったテキストや,最近手に入れてお世話になる予定のテキストを紹介して終わりにしましょう.

1.『Practical English Usage
英語で書かれた文法書なんですが,かゆいところに手が届くような解説が所々にあって,めちゃくちゃ参考にさせてもらってます.
例文を多くあげてくれているのも個人的には嬉しいです.
日本語の英文法書がどんなものかはあまり知らないんですけど,値段とかも考えると,この本がハズレってことにはあまりならないと思ってます.
本の構成は日本語の英文法書とかと比べると変わっていると思うので,慣れるには少し時間がかかるかもです.
本の後半では語法の紹介もたくさんあるので,それも助かってます.

2.『基礎 英文問題精講
これはオススメというか昔から我が家に眠ってる本なんですけど,精読演習には良さそうやなって感じの本です.
色んな長文が載ってるし,英文の難易度もそれなりに高いので,これをやり込んだら英文を読む力は結構付きそうです.
ただ,最近は色んな英文解釈の本とかがあるそうなので,ぶっちゃけこれよりも自習に適している本はあるような気はしてます.

3.『これが英作文―「英借文」から始まる英作文の学習
これはYouTubeで某予備校講師がオススメしてた本なんですけど,これが思いのほか良さげです.
まだ手に入ったばかりで取り組んではないんですけど,「英作文の勉強って何すればええねん!」って人には自信を持ってオススメできます.
問題量もさることながら,何よりも,本書の前半にある「英作文の勉強法について」と「英作文べからず集」がすごくいいです.
マジで英作文を勉強する全ての人に読んで欲しい気持ちになりました.
つい最近こんなツイートをしたんですけど,これも本書の冒頭に書いてあって,読みながらうなずきすぎて首もげました.

書いていたら熱が入ってしまって,結構長い記事になってしまいました…
僕の悪い癖ですね…

これから受験シーズンに入っていくので,生徒の嬉しい報告が聞けるように頑張っていきたいです.
自分のことも頑張らなあかんのやけどね!

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