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婚活と呼べない婚活

婚活&マッチングアプリ、お見合いパーティー、婚活バスツアーや街コン、または結婚相談所への登録など、私たちが婚活する上でそんなさまざまな人との出会いの可能性をもったサービスや選択肢があることは、皆さんご承知のとおりですよね。

私自身、それらはすべて経験済みで、お恥ずかしい話、婚活生活が長く続くとそれ以上に出会いがほしくなるんですね。焦りなのか欲張りなのかわかりませんが、とにかく婚活全盛のときの私は出会いを渇望していた。

人の集まる場所に行く

たとえば、某シアトル系コーヒーショップのコーヒーセミナーに参加してみた。席が近くの素敵な年上カップルの方たちと爽やかな休日の午前中っぽい会話を交わすことはあったけれど、結果、開催店舗のスタッフさんのほんの少し顔馴染みになれた程度に終わった。

たとえば、地元のマラソン大会の運営ボランティアに応募して荷物係や会場案内係を担当してみた。私が走ってもおかしくないような格好で参加したため、他のボランティアの常連っぽいおじさんから「ふだん走ってんの?」と気さくに声はかけてもらえたものの、年ごろの女性との新たな出会いを感じるような出来事は皆無で、結果、みんなとお揃いのスタッフTシャツをありがたく頂戴しただけで終わった。

たとえば、主催者が選択した一冊の本を持ちよって各々の感想や批評を発表し合う読書会というものに参加してみた。本は読むけれど、内容を深く読み解いたり文体の好みがあわないと長文を読むのでさえ苦手な私。参加されている皆さんは既婚者やご年配のリタイヤ世代の読書会ベテランの方々が多い印象で、一人の新参者が私語する余地さえ感じさせてもらえず、結果、会場になった個人経営の喫茶店がすごく雰囲気のいい素敵な場所だったという「地元の穴場」を知り得ただけで終わった。

こうして、いつも以上に自力であわよくば誰かと仲良くなれないかなと淡い期待を抱きつつ、突きつけられる現実はいつもの「現状維持」、早い話が「成果なし」ですね。まあ仕方がない。そもそも自力で婚活というか、婚活とは呼べそうもない単なるソロ活動じゃ効率悪いよな、と結論づく。

偶然の出会いに期待すること

でもなんでそんな風に効率の悪いことにも目を向けられていたかというと、20代の頃の成功体験(?)があったから。

むかしむかし、私が20代半ばの頃、地元の公民館で青年海外協力隊のOB/OG体験説明会のようなものが開催されたとき、ひと通りの話が終わった後にOB/OGを一人ずつ囲んで3、4人のグループが作られた。より親密に話が聞けるような場が設けられたわけですね。そのとき同じ参加者として向かいの席に座っていた1歳年下の女性と後日ばったり彼女の勤め先である百貨店のおもちゃ売場で再会した。

「あ、あのときの!」みたいな感じで会話を交わして、日を置いて顔を合わせているうちに連絡先も交換できてお茶やご飯もできる仲になって。でも彼女には結婚を心に決めた彼氏がいたんですね。それを知った上で友達付き合いしてたけど、こっちはしっかり好意があるし、後日それらしいことを彼女にちゃんと伝えたけど、結局は友達のままで、という淡いか苦いかしらない思い出が一つ。

むかしむかし、同じく20代半ばすぎの頃、当時スペイン語を勉強していた私は語学検定試験のために訪れていた東京・四ツ谷の上智大学の会場で、通りすがりの同じく受験者の6歳年下の女性から「面接の試験会場はここですか?」と話しかけられた。たまたま彼女と私は試験開始時刻が同じで、会場の場所を偶然尋ねられただけだった。試験終了時刻。帰りの時間もだいだい同じで、会場のそとでまた顔を合わると試験後の印象などをお互い交換し合いながらJR四ツ谷駅の方向へならんで歩いた。

当時私はべつの友達とその後食事をする待合せの約束があって、たまたま1時間くらいの暇をつぶす必要があった。そしてダメもとで、「すみません、1時間ほどつぎの待ち合わせまで時間があるので、良かったらお茶をご一緒してもらえませんか?」みたいなことを言って、彼女をお茶に誘った。仕方なくか快くかしらないけれど、彼女は宮城から上京してきたそんな田舎者の私の誘いをOKしてくれた。そして二人で近くのカフェベローチェかどこかでお茶を飲んだ。それが過去の記事で取り上げた「20年来の友人②」の彼女である。

こんな風にして、といってもその彼女たちとその後彼氏/彼女の関係に発展したわけではないけど、私たちのまわりでは出会いの可能性に満ちている。いや、満ちてまではいないかもしれないけど、どこかには転がっています。

そしてその後自分が30代となって、まぁーやっぱりそんな都合よく出会いなんてないよな、と肩をがっくり落として気づくことは「やっぱりマッチングアプリって便利よね。コスパ最高ー!」となって、ネット婚活にまた本腰を入れてトライアル&エラーを繰り返すのでした。

とはいえ、皆さんもそれ自体でめざましい成果は上げられなくとも、新しい場所やイベントに参加したり触れてみたりするだけで、部屋の空気の入れ換えみたいにはなるかもしれないのでどうぞご一考くださいね。意志があるとときまた道が開けるから。

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