見出し画像

結婚って何のためにするんだろうね?と、婚活している人が考えなくていいこと

妻の大学時代の仲の良い女友だちが近く離婚するそうだ。彼女には子供が3人いて、一番上の子は来年中学生で、一番下の子はもうすぐ3歳。新築の戸建て住宅は数年前に買ったばかりで、旦那は中学校時代の同級生らしい。

彼氏側の不貞が離婚の理由であるなら、3人の子供たちは母親のほうが引き取るのだろうけど、そのときの女性側の覚悟に称賛と敬意しかない。

ある年齢をむかえると、まわりから「誰が結婚した」という話が耳に届き、またべつの年齢をむかえると「誰が離婚した」という話に置き換わる。登場人物自体が同じであることもしばしばである。当たり前か。

誰しもべつに離婚してもかまわないという気持ちで目のまえにいるパートナーとの結婚を決断したりしないだろうし、彼女みたいに関係の修復にさんざん頑張ってはみたものの、やむを得ず緊張の糸が切れてあきらめて離婚する人も少なくないと想像する。

とはいえ、そんなとても大変そうな家庭の騒動の話を耳にしても、こちらが未婚の独身者だと、「離婚は、結婚しているからこそできるんだしね」と偏屈な嫉妬をしてしまう、この心理ってなんなのだろう。

むかし婚活をしていた頃、30代後半から40代前半の独身の男女6人がテーブルを囲って昼ごはんを食べていたとき、私が「40代前半でまったくの未婚よりも戸籍が少し汚れてるくらいのほうに憧れる」というようなことを言ったら一同笑って同意した。独り身の期間が長いと、相手に結婚を決断してもらえないヤバい奴、みたいな自虐的な感情さえ芽生えてくるもの。

前にTwitterで拾った話で、ある既婚の女性が「独身の頃は結婚はまだかと聞かれ、結婚すれば子供はまだかと聞かれ、子供が授かればもう一人はまだかとなおも聞かれ、二人目が授かるとようやく聞かれなくなる」とあった。

私は生粋の日本人として宮城県で生まれ育ち、30歳を過ぎて正社員での職業経歴がないことにコンプレックスを感じていたし、40歳を過ぎて未婚であったことにも居心地の悪さがあった。

現在の、社員数50人以下の昭和的な会社である私の勤め先においても、独身時代には当時の社長から「結婚はまだなのか?誰か良い人はいないのか?」とよく聞かれたものだ。

前に住んでいた家は、私のお祖父ちゃんのそのまたお祖父ちゃんが建てたのだけど、要するに近所には私をよく知る人が住んでいたわけだけど、ある晴れの日、私が自宅の敷地で車を洗っていると近所のおじさんが「なんだ、車を洗ってたのか。明日雨が降るんだぞ」と言った。

雨予報は、私も知っていた。でも私は車にワックスを掛けたいがために洗車していたのだ。翌日雨が降って汚れるのは仕方ないと思っていた。しかしおじさんはこっちが「ワックス掛けのため」と説明しても納得しなかった。せっかくキレイに洗車しても次の日が雨じゃあ、意味ないだろうと。

正直、鬱陶しかった。ほっといてくれと思った。なんですか?おじさんはいつか死ぬのになんで生きるんですか?と悪態をつきたくなった。どうせ汚れるんだから掃除はしない主張はとにかくいけすかなかった。

それに近い理屈で(ちょっと無理があるかもしれない理屈で)どうせ離婚するんだから結婚しない、離婚したらどうしよう、だから結婚に踏み切れないとご不安の方がいらっしゃったら、明日の天気予報は一度気にしないで結婚したらいいんじゃないかと思う。

その結婚であなたの何が変わるかといえばわからない。変わる人は変わるし、変わらない人は変わらない。人それぞれ。

その後たとえ離婚したとしても何が残るかといえば、結婚を決断した経験が残るし、授かれば子供も残る。家庭を守ること、自分の時間を見つめ直すこと、パートナーへの感謝の気持ち、多少の住宅ローンももしかしたら残る。

要するに、財産が残る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?