【多変数関数の最大最小㊱ 動画番号1-0092】不等式の証明への応用③ 大阪大学 2015 入試問題 解法 解説 良問 講義 授業 難問 文系 理系 高校数学 微分 最大値最小値 大学入試 論証 数Ⅱ

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解説している問題のPDFは、無料でダウンロード・プリントアウト可能です。問題文は動画の中で字幕などで表示しません。鑑賞するだけではなく、実力を付けて高める意味でも、ぜひプリントアウトし、ご自身で解いた上で動画をご覧頂きたいと思います。(ある一定以上の数学力を付けるには、自分の頭を動かすことと、自分で手を動かすことが欠かせません)

このチャンネルでは、大学入試で出題される数学の問題を、テーマ別に整理して、有機的・体系的に取り上げ、解説していきたいと思います。古典的な良問から最新の入試問題まで、   
 「演習価値の高い問題を、学習効果が高い解法で解説すること」
を目標にしています。

今回は、「関数の最大最小」のシリーズの動画番号【1-0092】、2変数以上の変数を含む多変数の関数の最大値・最小値に関する問題を取り上げます。今回はその第36回目で、不等式の証明問題への応用を扱います。今回は「不等式の証明への応用」シリーズの第3回目です。

(以下ネタバレ注意! 以下に読まず問題を解くことをオススメします)

今回の問題は、2変数が現れる不等式の問題を扱います。不等式には、根号が含まれますから扱いにくい印象を受けます。したがって、「適切なおきかえ」によって根号を含まない式になおし、示すべき不等式と同値な不等式に書き改めます。(式変形が同値であることに注意します)

なお、不等式は、大きく分けて、

 ・大小関係の記述
 ・不等式の解(の集合)の記述
 ・変数(関数)の値域の記述

という3つの役割を持ちます。
本問題を「大小関係の命題を証明する」問題と考えると、「因数分解」や「平方完成」という方法が考えられます。実は、この問題は巧妙な平方完成による証明も可能です。しかしながら、恐らく、試験時間という限られた時間内で(特に、「~≦1」の証明の式変形)は難しいと思います。

一方、「変数(関数)の値域の証明問題」とみると、xとyはそれぞれ独立に動く変数とみなすことができますから、2変数のうち、どれかを変数、残りを定数とみなして話を進める、「予選決勝法」の考え方を用いようか、などと考えるのは自然な発想ですね。(「予選決勝法」の考え方は以下の動画で解説しています。)

▼参考動画(本動画で紹介した、予選決勝法を解説した動画)
 *【多変数の関数の最大最小⑨ 動画番号1-0065】
   予選決勝法(独立した変数を固定する方法)の基礎と応用
   https://youtu.be/HdvtB9WmFoE

しかし、たとえば、xの関数とみなしてその値域を求めることで、問題を解く道筋をつけようと思うと、動画で案内のとおり、微分すればそれは絶望的と言わざるを得ない状況に遭遇します。線形計画法も同様ですね。

そこで、「同値な式変形」によってこの難局を乗り切ろうとしますと、まず、不等式が形のよい対称式であることに気づきます。しかし、基本対称式を持ち出すことで、問題を解く道筋をつけようと思うと、根号を消すという壁にぶつかって、動画で案内のとおり、これも絶望的と言わざるを得ない状況に遭遇します(涙)。

結局、根号を消し、かつ、xとyの値域を保存して式を同値変形するには、三角関数を持ち出せばよいことに気づきます。長い試行錯誤でした(汗)。

なお、この動画は、冒頭でご案内していますが、シリーズものの第二弾です。これより前の動画については以下の動画をご覧ください。

▼参考動画(シリーズ動画のこの動画の前編)
 【多変数関数の最大最小㉞ 動画番号1-0090】
  不等式の証明への応用① 神戸大学 2021 入試問題

 【多変数関数の最大最小㉟ 動画番号1-0091】
  不等式の証明への応用② 京都大学 1978 入試問題

難易度は、「やや難」レベルの問題かと思います。ぜひ、ご自分の「答案」を作成して視聴いただけたら嬉しいです。

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