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確率論#4

以下、確率空間$${(\Omega,\mathcal{F},\mathbf{P})}$$において考察をしていきましょう。$${A\in\mathcal{F}}$$を事象と呼びます。事象とは$${\Omega}$$上の関数に対する条件によって特徴付けされたもので、例えば、「サイコロの出目が偶数である」や「コイントスの結果が裏である」など、中学や高校での確率を習った時にも考えたことがあるものですね。これは確率論の主たる考察対象です。
その関数である確率変数について述べていきます。

定義1.4
$${(E,\mathcal{E})}$$を可測空間とする。
関数$${X:\Omega\to E}$$が$${\mathcal{F}}$$-可測であるとは$${X^{-1}(A)(=\{\omega\in\Omega\vert X(\omega)\in A\})\in\mathcal{F}(\forall A\in\mathcal{E})}$$が成り立つことを言う。
$${\mathcal{F}}$$-可測な関数$${X:\Omega\to E}$$を$${E}$$-値確率変数と言う。$${E}$$が位相空間の時は$${\mathcal{E}=\mathcal{B}(E)}$$(ボレル$${\sigma}$$-加法族)とし、$${\sigma}$$-加法族を明記せず$${E}$$-値確率変数という用語を用いる。特に$${E=\mathbb{R}}$$の時は単に確率変数と言う。

今後の議論では$${X^{-1}(A)}$$を$${\{X\in A\}}$$と表すこととして、その確率$${\mathbf{P}(\{X\in A\})}$$を$${\mathbf{P}(X\in A)}$$と表すことにしますね。また、ボレル集合についてはいつかまた別で深堀回として話すこととしますね。


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