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デザイン事務所のお客様(3)~検索で上位に出して編~

こんにちは。田舎の小さなデザイン事務所で働くたまです。

前回の「Tさんという方からの依頼で、1万円でホームページを作る羽目になり、デザインラフをFAXで送ってと言われた」というお話の続きです。
ホームページを納品して1か月くらいたった頃でしょうか。
また発端は代表の一言でした。

「Tさんから電話かかってきて『Googleで検索してもホームページが出てこん』て言われた」

はあ。

私「当たり前ですよー。たった1ページのホームページですもん」
代表「そういうものなの?」
私「そういうものです。ページ数文字数は絶対いるし、それ以外にもいろいろ条件があって、画像には代替テキスト入れるとか、内部リンクちゃんとするとか、独自ドメインじゃないと厳しいとか……。代替テキストは一応入れておきましたけど、それ以外は今回どうしようもないです」
代表「そっかー。どうしようかなあ」
私「説明の文書作って郵送しときますよ。電話だと面倒そうだし」

というわけで「検索で上位に出すためにはこういう対策が必要です、現状では難しいと思われます」というお手紙をしたためて郵送しました。
これで納得してくれたらいいなあ、と思いつつ。
ところがというか案の定というか、数日後、Tさんから電話がかかってきて、

T氏「検索で出てくるようにしてくれんと困る」

うーん……。
困ると言われても困ります。無理なんですから。

私「お手紙でも説明しました通り、現状では難しいんですよ。どうしてもとおっしゃるなら、ホームページに手を加えるしかありません」
T氏「またお金かかるってこと?」

またってそんな1万円しか払ってないやん……と思いましたが口には出しませんでした。えらい私。

T氏「今のままだったら、せっかく作ったのに誰にも見て貰えんやろ」
私「ホームページのアドレスを教えてさしあげたら……」
T氏「あの長ったらしいやつ?あんなん入力するん大変やん」
私「ではメールで知らせるとか」
T氏「メール使えん人も多いし」

知・ら・ん・が・な!!!

お金はかけたくない、でも検索で上位に表示させてほしい。そんな都合のいい話があるか!!
検索で上位に表示させるための対策をSEO対策というんですが、世の中にはSEO対策専門の会社があるくらいです。そういった会社に依頼すると月額数十万かかったりします

Tさんはさんざんゴネた後ようやく電話を切ってくれたのですが、この様子だとまたかかってきそう。その間仕事はできないし……困ったぞ。
代表に経緯を説明して、二人で対策を考えることに。

代表「検索で出てこんかったら困るっていうのもわかるんよね。アドレス入力するの大変やし」
私「そりゃまそうですけど、それならお金を出してページを充実させていかないと……」
代表「お金は出したくないわけよね」
私「ですね、びた一文出しませんねあの感じだと」
代表「あ、あれは?Googleの、ほら、会社名とかお店の名前検索したら横に出てくるじゃん」
私「あ」

代表が言っていたのはこれのことです。

2021-10-01 のコピー

お店や会社の名前で検索をかけると、赤で囲んだ部分のように情報が表示されるのを一度は見たことがあるのではないでしょうか。所在地や電話番号、営業時間、定休日などが表示されるので、これを参考に飲食店に行ったことがある人も多いはず。
これは「Googleマイビジネス」といって、Google社が提供しているローカルビジネスの登録サービスです。
自分のお店や会社を登録することができるのでとても便利。(自分のお店でなくても登録や修正は可能ですが)

これに情報を登録してもらえば、会社名で検索するとトップにこの情報が出てきます。ウェブサイトも登録できるので、いちいちアドレスを入力しなくても良いのです。

これをTさんに教えて、情報を登録してもらえば問題解決じゃーん!……と思ったのですが、

T氏「で、それは誰がやるん?」

と言われました!
そうね!メールさえ見ないTさんが情報を登録できるわけがありませんでしたわね!!
結局私が代理で情報を登録することになりました。無料で。
本来なら有料の作業ですが、とにかくもうこの方とは縁を切りたかった。いつまでもゴネられたら仕事にならないし。

世の中ゴネたもん勝ちということを学んだ出来事でした。
今後こういうことが起こらないようにどうしたらいいか、と代表と相談して、最初の打ち合わせの時に「SEO対策は別料金です」って言うしかないんじゃない?という話に落ち着きました。見積書にもオプションとして「SEO対策」の項目を作り、「金額は内容により変動しますのでご相談ください」と書くようにしました。
そのおかげかどうかはわかりませんが、その後はトラブルになることはありませんでした……良かった……。

さて、またまた長文になりましたが、今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回はとても印象深かった制作物の話をしようかと思います。とても苦労した超巨大パネルの話です。お楽しみに。


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