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マタニティリープマガジン vol.5 二十歳に結婚。3人の子供を抱えながら手に職がなく苦労したシングルマザーが仕事と家庭のはざまで模索した自分の人生

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。マタニティリープです。このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。先週からスタートした全4回にわたる高橋さんのインタビュー。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。

マタニティリープインタビュー

〜高橋歩惟(仮名)さんのマタニティリープジャーニー〜(第2部/全4回)

現在、58歳の高橋さんには3人の子供がいる。長女が38歳、長男が35歳、次女が30歳。初孫が1人(4歳)。離婚をしてシングルマザーになり、仕事をしながら子供を育てていった高橋さんのマタニティリープの物語。

第1部:結婚と出産、そして予期せぬトラブルの記事はこちら

〜いろいろな事情が重なり、転職をすることに。

第2部 家族と仕事の狭間で

そこから就活しました。それまでは事務職で子供2人を抱えており、手に職もなくなかなか見つからず苦労しました。保険の法人営業の採用を勧められたこともあり、何も持っていない自分に焦りを感じました。

その時たまたま市で開催している職業訓練があり、そこでワープロを身につけました。その後、簿記を。数ヶ月で3級を取り、2級も取りました。当時は、会計の資格に合格すると、会計事務所に合格者名簿が配られ、働きませんか?と声がかかる仕組みになっていました。数社からうちで働きませんかと声がかかり、その内の一社の会計事務所で働き始めました。
自分のこととしては数字を扱うのは嫌いだけど、仕事としてはやるのはオーケー。数字が面白いなと思いました。

担当する会社を持ち、経理、決算書作成をすることになりました。
決算書を見ると会社の雰囲気がわかる。それが面白い。 直感的なんだけれど、社員に不満があるんだろうな。とか。うまくいってないだろうなとか。
それが面白くて没入しました。 確定申告と年末調整の時は徹夜でやる感じ。子供を夫に見てもらって、夜通し仕事をしました。
とにかく面白かったですね。 左右貸借が合わない、どこなんだろう?…調べていく。あれかな?…と何度も調べ直して、ピタッと合うと面白い。間違いを見つけるのに勘が冴えてくる。

●そこからは?
没入しすぎて、確定申告などのピークの時には1ヶ月ぐらい、夜通しでやります。 すなわち育児放棄のような状態。送りはともかく、迎えは夫や実家に。。。子供行事も出られない。持続可能ではありませんでした。
このままではまずいと、決まった時間で働けるところで働こうと思いました。

その頃、人材派遣が広まっていました。派遣会社に登録をして、経理の仕事で応募をして、9時5時で働ける職場に派遣されて経理をやることになりました。
コンピューターを使って経理をする人がいない時代。コンピューターで経理ができたことで、重宝されました。 あまり大きな会社ではなかったけど、仕事があんまりないので、正直、楽な仕事をさせてもらっていました。

その会社は、化粧品を作って代理店をやっている会社でした。 肌の本来の力を引き出すというコンセプト。コンセプトも面白かったですね。 困っている顧客からの電話など、カルテを作って対応することも頼まれました。
自分はあまり化粧には興味はなかったのですが、 経理以外の仕事にも興味を持ってほしい、社員になってほしいと誘われて、正社員になりました。
(その時は子供2人。) 社員になってから、顧客のカルテを見るといろんなことがわかって、面白かったです。

会社側も私がもっと前に出て仕事をした方がいいと思っていました。 経理は集中すれば週4日でできる。 その残りの時間に顧客、代理店と接することを期待してくれました。銀座や代理店のところで講習会をするインストラクターをやってみない?と言われ、やることになりました。

●その商品はご自分も使っていたのですか?
化粧水、オイル、粉白粉だけ使っていました。 今思えば、今やっているコーチングと同じ様なことをいっていました。肌は本来の状態へ自然と行こうとする。それを妨げないというコンセプトだった。自分にあっていたと思います。香料や色素なども使っていないものでしたね。

●Tさんのパターンが見えますよね、数字とかカルテを見ていると何か見えてくる、それを面白がって、そして没入する。
そうなんです。お客様からの相談を受けるのも面白かった。
今やっているコーチングと似てるところを感じます。 顧客から電話がかかってきたら、黙って聞いている。この人はなんで怒っているんだろう?そうなんだ、そうなんだと聞いていると、顧客の怒りが変わっていきます。 聞いている中で、あれ?この人にとってよくない状況が重なったのかな?とか、これが原因になっているのかな?など、ピンと直感的に聞こえてきます。 「もしかして、こういうことが影響しているのかもしれませんね」というと、相手が、「あ!そうかも」、と言ってくれる。 「それが正解かどうかわからないから、それを2週間ぐらいやってみてくださいね。またどんな調子か教えてくださいね」という。実にコーチング的ですね。 1時間、2時間、ひどいと3時間もかかることがあるが、みんなが厄介だなあと思うような人が落ち着いてくる。 そんな人から電話が来ると、自分に回ってくる様になったが、苦ではありませんでした。

●その仕事は9−5時で帰れる感じでしたか?
5時には帰ることができる仕事です。 講習会は土日出張したこともあったが、家族的にはOKな感じになりました。子供たちは土日に義理のおじいちゃん、おばあちゃんのところに泊まってくれるので、土日出張でも大丈夫でした。いいサイクルでした。

そんなある日、3人目を妊娠しました。意外なタイミングでした。妊娠5ヶ月ぐらいの時のつわりは酷かったですね。 酷すぎて1ヶ月近く会社を休むことになりました。起き上がれないほど。ずっと吐いているような状況でした。
おさまって、復帰しましたが、今度は切迫早産になりました。子供はまだ2000gぐらいなので入院してほしいと言われましたが、上の子供たちがいるので入院せず、張り止めの薬を飲んで、なんとか過ごしました。仕事も続けました。

出産してからは、2ヶ月半で復帰しました。 3ヶ月休むことになっていましたが、 会社の中がガタガタしてきたので早めに戻ってきてほしいということで、早めに復帰することになりました。 保育園がいっぱいで上の子とは違う乳幼児の保育園に入園しました。一番上はすでに小学生になっていました。真ん中は保育園、下は違う保育園。三人ともバラバラ。
送り迎えが大変でしたが、 実家の父が高齢で会社をたたむということで、実家の両親が子供を見てくれることになりました。
3人目の保育料は5万円ほどで、本当に高い。 そこで、生まれて半年ぐらいからは朝は実家に3人目を預けて、みてもらい、ご飯も作ってもらって、実家で一緒に夜ご飯を食べ、3人ともにお風呂に入って帰宅します。 夫は8時に帰るので、自宅で自分が夕食を作ります。

そのまま下の子は実家近くの幼稚園に通うことになりました。近所の知り合いが運営している幼稚園で、自宅の庭を送迎バスの停車場として貸していたこともあり、送り迎えがとても快適でした。

>次週、第3部:シングルマザー に続きます。

マタニティリープ情報

マタニティリープでは、妊娠出産後の可能性や選択肢が拡がり、リープ(飛躍)につながるイベントやワークショップを開催しています。

先日、マタニティリープ✖︎仕事ということで、2週間に1回の3回連続のミニワークショップを行いました。参加者の方からはこんな感想をいただきました。

・妊娠・出産しても仕事を続けたいと思っていますがイメージができず、あまり前向きになれませんでした。ですがWSを通じてなるようになるというか、委ねるしかないと思いました。そうなった時に周囲に頼れるような関係性を作っていきたいし、予定のない今はできる範囲で周りのサポートしていきたいと思います。
・このような安心安全な場を作って下さりありがとうございました。いろんな経験、考えを伺い、話すことを通して、たくさん響き、心が震えました。3回で終わってしまうのが名残惜しくて淋しくもあり、けれど3回の中で気づきと次へ進むエネルギーに繋げられて、ちょうどよい長さだったのかなとも思います。子供が無事に生まれた後にも、またみなさんとお話ししてみたいです。
・とてもセンシティブなお話がたくさん出てきたのは、安全な場を作ってくださったからだと思います。様々な環境にいる方々と深いお話ができて、とても豊かな時間でした。ありがとうございました。
・今回は素敵な機会をいただきありがとうございました。安心して本音で話せる雰囲気があり、ファシリテーションのお二人や他の参加者の皆さんと言葉を贈りあえたことが嬉しかったです。

参加者の方のアンケートより

マタニティリープでは、つながりの感じられる中で、本音と夢についても語れる場をこれからも大事にしていきたいと思います。また3回シリーズといった連続セッションも開催していきたいと考えています。

次回のイベントは12月に予定をしています。
2023年12月4日(月)11時から12時半「マタニティリープ出版イベント」
2023年12月14日(木)11時半から13時「ゆくリープくるリープ」(年末イベント)
詳細が決まり次第、またお知らせさせていただきます。

マタニティリープから本が出版されます。
来年前半に出版予定の本を執筆しています。今月中には第1稿が仕上がり、年初にはクラウドファンディングによる支援と予約ができるようにしていきたいと思っています。マガジンに続き、こちらもどうぞお楽しみに!

編集
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/


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