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マタニティリープマガジン vol.15  お母さんになりたい夢を持っていた女性が抱えた葛藤「妊活やコロナ禍出産、2度の海外赴任、家族や上司・同僚の応援で叶えた夢」インタビュー 4回目/全4回

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。本日で2周年を迎えましたマタニティリープです。このマガジンもそうですが、これからもマタニティから始まるリープを支援していければと思っています。
そして、このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。今回は12月から始まった夏木心菜さんのインタビュー(全4回)の最終回となります。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。


▪️マタニティリープインタビュー 夏木心菜さん

〜夏木心菜さんのマタニティリープジャーニー〜(4回目/全4回)

現在、41歳の心菜さんには2人の子供がいる。同じ会社に働く旦那さんとの4人家族。現在旦那さんの2度目の海外駐在に同行し、育休中。そんな心菜さんのマタニティリープの物語です。お母さんや弟さんに支えられ単身で出産を迎え、旦那さんの海外赴任先のアメリカでの育児の話。前回は夏木さんのそれまでの物語と復職後や二人目の妊活&出産のお話でした。今回はその後のお話をお届けします。

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第4回--------------------------------------------------------------

よく働いた後の育休は楽しみで

ーー復職したり、育休取ったりしてどんなことを考えましたか?

上の子の時は、産休に入る時点でアメリカに行くことも決まっていたし、私はすでに12年くらい働いてたので、よく働いたなと思っていて、休みに入るのが逆にすごい楽しみで、(育休は)3年取るぞ!ぐらいの気持ちで、産休に入りました。どちらかというと第二子の時の方が色々考えたり感じたりすることがありました。
一人目の時は、コロナでアメリカから帰国して、娘が日本の生活に慣れたり、保育園に行くにも、動きにくかったので、復職は急がず遅らせました。
4月くらいに日本に戻ったけれど、翌年の1月に復帰しました。

二人目の不妊治療と復職は上司の理解があってこそ

一方で並行しながら、二人目がほしくて、アメリカにいた後半ぐらいから、妊娠するために色々トライしてみたんですけど、なかなかできなかったんです。
日本に帰ってきたのをきっかけに、また不妊治療に通い始めましたが、全然妊娠できませんでした。どんどん不妊治療もステップアップしていって、復帰することも迷いました。でもいつできるかわからないから、今復帰しようと1月に復職することにしました。
復帰する時、上司には、「正直、次の子が欲しいと思っていて不妊治療もしているので、またすぐ休みに入る可能性もあります」という話を伝えて復帰したんですよね。上司も理解を示してくれました。男性の上司だったんですけど、大変なこともよくわかるし、尊重する、と理解してもらえたのはありがたかったなと思っています。
 

フレックスタイム・テレワークも利用した不妊治療

復職して、不妊治療がステップアップしたので、通う頻度も高く、生理の周期に合わせて、何回も病院に通ったり薬をもらってとやることも多かったんですけど、テレワークやフレックスタイムを使って対応しました。
早朝5時から7時まで仕事をして、その後朝ごはんを作って、娘に準備させて、また9時から仕事に戻り、15時か16時くらいには仕事を終えて、娘を迎えに行ってという生活をしていました。その中で不妊治療で病院に通院するようにしました。テレワークだからどこにいても仕事はできたんです。病院の近くのカフェで会議に入って、病院に行って、帰ってきてまた仕事をしてという感じです。大変は大変でしたけど、柔軟さがある環境はありがたかったです。

喜びの妊娠のはずが、、、

そんなふうに過ごし、5月末か6月くらいかな、体外受精にチャレンジしたら、一回目で上手くいって妊娠がわかりました。
もちろん嬉しかったんですよ、そのために頑張ってきたし、やりくりしてきたし。すごく嬉しかったはずなのに。その頃、結構仕事を任せられはじめ、新しい仕事を担当してほしいと言われたタイミングで、真っ先にそっちに気がいってしまったんです。だから一人目の時のように喜べなくて。体外受精までしているのに・・・。

思いがけぬ上司からの祝福

その頃、つわりもあって体調も良くなくて、上司に早く伝えた方がいいと思ったのですが、「どう言おう、仕事のことがありながら、、」と感じていました。そして、オンラインで上司に話をした時に、「子供ができました、すみませんっ」て謝っちゃたんですよね。
そうしたら、上司が「なんで謝るの?おめでとう!」と、私よりも先に喜んでくれて、、、その時に救われた気持ちになりました。上司が、「おめでとう」って、当たり前のように言ってくれたことで自分の気持ちを切り替えることができました。
申し訳ないと思っていたところから、会社にいられる残りの時間をどう過ごすかに意識を向けられるようになって、とてもありがたかったです。

初めて月曜日が楽しみになった

上司と同じグループの先輩もすごく喜んでくれました。こんな中途半端にしかお仕事していなかったのに、、と思ったんですけど、、。
そういうわけで、上司とその先輩と3人で、産休に入るまで濃い時間を過ごしました。
一人目の育休は晴れ晴れとした気持ちで、その時の上司に晴れやかな顔していて寂しいよ、と言われたんですけど、二人目の時は、産休に入る時に上司とその先輩と3人で泣いちゃいました。

一年だったけど、復職して本当に良かったと思っています。
その頃、初めて月曜日が楽しみになったんですよ。これまで、子供との時間はいいんですけど、何かに貢献できる感じがなかったのですが、月曜日が楽しみ、仕事だーー!と思えたのは初めてで。
それも含めて復職してよかったと思いました。

必要なことはその時その時降りてくる

ーーすごくいい経験がたくさんあったのですね。
ーーこれからについてはどんな風に思っていますか?
 
そうですね、明確にあるわけではないんですが、基本的に変わらないスタンスとしては、「1年ごとに考えよう」というところですね。

息子が3歳になる前日までが会社の育休の期限なんです。
なので、あと1年半、夫が一年半以内に日本に戻る可能性の方が低いと思うので、その間に自分が会社員として勤めている仕事をどうするのかを考えないといけないな、というのあります。
でも、どこかで、必要なことはその時その時降りてくる、そういう考え方に変わったというか、変化が多い中でそこに乗っかっていく自分でいたいなと思っています。だからあまり考えすぎてないですね。

三人目の可能性

ただ、今どうしようかと思っているのは、体外受精で息子が産まれているので、受精卵が3つぐらい残っているんです。
受精卵を戻さないと判断すると、廃棄とか研究に使われたりするんですけど、すでに自分の子供みたいな感覚があって、判断する気持ちになれなくて。夫もまだ可能性があると考えているみたいなので、自分自身ももう一人、3人目をどうしようか、と思っているところです。
受精卵を戻すなら、日本にいなきゃいけない期間がいるし、もう一つの心配は自分の体が持つのかなということです。そういったところと話し合っている気がします。「どうするの?」って。

自分が誰かの応援をしたい

それと仕事との折り合いですね。自分は仕事をしなくていいのか問うてみると、何らかの形で、仕事だったり、自分が誰かの応援をしたい。

自分の人生の目的は、人を応援することなんですよね。

それが自分の生き生きの源だなと思うので、日々の中にもそういうものはあるんですけど、仕事に近い形で日常にあることが自分にとって大事な時間だと感じています。それをうまく何らかの形で続けながら、家族のことと向き合っていきたいな、今はそういう感じですね。

ーー夏木さんのお話には、マタニティリープがいっぱいあって、勇気づけられる人もたくさんいるんじゃないかと思います。貴重な話をありがとうございました。

<完>


▪️マタニティリープ情報

1月11日でマタニティリープ合同会社は設立2周年を迎えました!

ワークショップや対話の会など、これまでの経験や皆さんと共に紡いできた知恵を今年は本にして出版していきます。みなさんお楽しみに!
そして、その内容をさらに広く伝えていきたいと思います。地域や組織内での対話の会の開催、講演など、お声がけいただけたら嬉しいです。

noteのマガジン担当の二人から年初のご挨拶です。

渡辺有貴(なべゆき)
まずはこの度の北陸の地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。1日でも早く日常が取り戻すことができますようお祈り申し上げます。
マタニティ期はカオスや混沌の連続ですが、去年から今年にかけて、私たちが住んでいる環境にもカオスが日常となっているのを感じます。去年から毎週木曜日にマタニティリープマガジンを発刊してきました。インタビューの内容は、お一人お一人丁寧に聞かせていただいたお話を読みやすく編集させていただいて、みなさんに読んでいただいています。混沌としたことの多いマタニティ期子育て期。インタビューをさせていただいたみなさまにはリアルで、なかなか聞くことができないお話を聞かせていただいて感謝ですし、読んでいただいているみなさんにも感謝の気持ちでいっぱいです。マタニティから始まる選択肢と可能性を広げるというのがミッションの一つですが、みなさんのお一人お一人の可能性と選択肢が広がって、自分らしい生き方の応援ができたらと思っています。今年もどうぞ「フォロー」や「いいね」、また「シェア」などを通じて応援していただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

中西実和(みわにゃん)
今日はマタニティリープの2歳の誕生日です。子供ならよちよち歩きを始める頃でしょうか。この二年、マタニティリープの仲間やワークショップで対話をたくさんしてきました。一つの生命が宿り、生まれ、育っていくプロセスの中で一人の女性、または親にどういった変化をもたらすのか、何が起こるのか、それを取り巻く社会的環境、社会的にある無意識な思い込み、それが私たちにどんな影響を与えてきたのか、何が希望なのか等々。この対話は本を出版する(6月末予定)流れにつながりました。また、このインタビューを始めたことも大きな変化になりました。インタビューを通して様々なマタニティリープを聞かせてもらい、そこにある本音、リアルに毎回心を動かされました。そして、無意識にかける様々な色眼鏡の存在に気付かされます。私たちはもっと自由に生きて良いんだと思うのです。私自身は、昨年、本当に子育てが終わったのだ、という体験をしました。今、マタニティリープの真っ只中にいる仲間たちと共に進む中で、ちょっと違う場所から見える景色を共有していきたいと思っています。
このマタニティリープという考え方、活動を周りの方にお話をすると、出産経験のあるなし、性別、年齢関係なく、何か力になりたい、関わりたいと言っていただくこともとても多く、その応援の気持ちを、今まさにマタニティリープの真っ只中にいる人達に少しでも届けていけたらとおもっています。これからも応援をよろしくお願いします。

これからも、みなさんのリープと共に!

<編集>
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/


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