見出し画像

なぜ仕事が早いのか?なぜ早いは重宝されるのか?

【答え】

早い理由:なぜやるか、何からやるか、いつやるかの3拍子が揃っている

重宝される理由:生産性が高いから(時間というインプットが少ない)


最近、僕が在籍している会社で今後の戦略や取り組み関する議論をしている中で話題になったのが、「タイムベース戦略」と呼ばれるものでした。

調べてみたら1993年に出された本があり、さらに調べてみると1980年代にボストンコンサルティンググループが生み出したコンセプトということがわかり、新しい概念でもなんでもなかったことに驚きました。笑

タイムベース戦略とは、簡単に言うと「短納期によって競争優位性を実現する」というような考え方です。

我々の会社でもスピードを大事にするというカルチャーはあるので、「そのスピードという付加価値を仕組みにしたいよね」ということを、役員たちと協議しています。


こんなことがきっかけで、仕事の早さについて改めて整理したいと思い、この記事を書いています。

社会人経験が増えてくれば来るほど、早さに価値があることを実感する機会が増えている気がします。

逆に言うと、経験が浅い時はその価値に気づけていなかったとも言えます。


そんな昔の自分を戒めつつ、そして昔の自分に早さの価値を伝えるつもりで、どうしたら早い仕事ができるのか、ということも含めて書いていきたいと思いますので、ぜひお付き合いください。


作業や処理が早い=仕事が早いではない

画像1

まず、最もされがちな誤解を解くことからスタートしていこうと思いますが、仕事が早いと聞いて、イラストのような状態をイメージするでしょうか?

同じような質問を少し違う角度からしてみましょう。

仕事が早い人でイラストみたいな人を見たことがあるでしょうか?

あり得なくはないかもしれませんが、おそらくこのようなイラストの人で仕事が早い人は少数派でしょう。

仕事ができる人と仕事が早い人は相関性が高いので、仕事が早い人はもっとスマートに仕事をしているのではないでしょうか。

つまり、処理の早さは仕事の早さにさほど影響しません

当然、まったく影響がないことはありませんが、影響度で考えると処理スピード以外の要素のほうが大きいと言えます。

では、その処理スピード以外の影響度が大きい要因はなんでしょうか。


早い理由① なぜやるか(目的意識)

画像2

仕事が早い人は、その仕事をなぜやるのかという目的意識や、果たすべき成果や完成させるべき成果物が明確です。

なぜこのような目的意識によって仕事が早くなるかというと、2つの理由が考えられます。

1つは、目的を果たすための最適な手段が選べるからです。

目的意識が欠けている場合、指示されたことを指示された方法でやってしまいます。その方法が非効率であってもです。

目的や成果物が理解できていれば、より短距離でその目的にたどり着ける可能性が高まります

これが理由の1つ目です。


2つ目の理由は、仕事の依頼者と目的の共有ができているという点です。

目的や成果物を正確に理解できずに、指示された通りの方法で仕事をしてしまうと、依頼者が思っていた目的や成果物とのずれが生じやすくなります

その結果、すり合わせや手直しに時間がかかってしまいます。

最初から依頼者と「目的のものはこれですね?」ということが共有できていれば、このような2度手間3度手間は発生しづらいです。

この目的意識を持つコツは、単純に「なんのためにこれをやるんだろう?」と考えることです。

そのような考えを持つには、言われるたことだけやるのではなく、主体性と仕事への興味が必要です。

もし考えてもわからなければ、依頼者に「なんでこれをやるんですか?」聞くだけです。

その際には、ストレートに言うと「こいつこの仕事やりたくないのか!?」という風に思われて角が立つ可能性もあるので。苦笑

聞き方には注意しましょう。

ベストは「僕はこういう目的でこの仕事をすると認識してますが、間違ってませんか?」というような、依頼者に回答を丸投げせずに、自身で考えた答え合わせをしてもらうような質問をすれば、角が立たないどころか、きちんと自分で考えていることを評価されるはずです。


早い理由② 何からやるか(優先順位)

画像3

仕事が早い人は、仕事の組み立てが上手です。

この仕事はいつまでに完成させなければならないのか、重要度は高いのか、どのくらい時間がかかるのかなどの仕事の情報を整理し、仕事の優先順位を決めることで、正確で早い仕事を行いやすくなります。


基本的に優先させるべき仕事は、重要度が高い仕事緊急度が高い仕事です。

緊急度が高い仕事は、納期が目の前にあるので言わずもがなですが、重要度が高い仕事は、基本的に時間がかかったりタスクが多いケースが多いです。

また、クオリティを求められたり、多くの人を巻き込んでする仕事である場合も多いので、時間に余裕を持って前倒しで仕事を進める必要が出てくる仕事です。

これらの理由などで、重要度の高い仕事は優先的に行います。

もう一つ理由があるとすれば、重要な仕事はそれだけ成果へのインパクトが大きいとも言えるので、高いクオリティで早く仕上げることで評価も上がりやすくなります。


また、重要度や緊急度の低い仕事を先にしてしまうと、それに時間をかけすぎてしまうという懸念点もあります。

そこまでのクオリティは求められていないにも関わらず、余計なことをしてしまう。

「しないよりしたほうがいいけど、そこまで時間をかけなくても…」と思われ、依頼者を困らせかねません。

優先順位の低い仕事は、重要なことや緊急性の高い仕事をした後に、納期に余裕のない中でやるくらいの感覚でいいと個人的には思っています。

その方が、求められる最低限の中で早く仕事ができます。


このような仕事の組み立てをするためには、その仕事がどのようなものかを判断する能力が必要です。

重要だと思っていなかったものが実は重要だったなんてことになると、元も子もありません。

判断能力を身に着けるには、一つは①の仕事の目的を明確にすること。

目的や成果物がわかれば、自ずと重要度がわかりやすくなります。

もう一つのポイントは、必ず納期を確認することです。

納期を確認することで、依頼者との共通認識ができるというメリットもありますが、自分で自分のケツを叩けるようになります。

期限がない仕事ほど終われないものです。自分で自分のケツをたたきましょう

また、仕事の重要度がわからなければ、依頼者や上司、先輩に相談してみるのもいいでしょう。

相談する際には、仕事の内容や納期が一覧化された、タスクをリスト化したものがあれば、相談される側もアドバイスしやすくなりますし、きっちり仕事をしてくれそうだなという印象も持たせることができます。


早い理由③ いつやるか(初動で差がついている)

画像4

パーキンソンの法則をご存じでしょうか?

イギリスの学者、シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則で、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というものです。

つまり、どんな仕事であろうと、納期のギリギリまで時間をかけてしまうという一般的な法則です。

この原因は、持論ではありますが、ペンディング(保留)された時間が大半を占めるからだと考えます。

つまり、その仕事にすぐにとりかからないということです。

このことから言えることは、仕事が早い人は単純にその仕事を始めるタイミングが早いということです。

すぐやらないと、

すぐやらない→タスクが溜まる→処理に追われる→またすぐできない

という負のスパイラルにハマってしまいます。

逆にすぐやれば時間に余裕が生まれより早く仕事ができます

このように、すぐやる人とすぐやらない人では、仕事のスピードで歴然の差がついてしまいます。


①目的→②優先順位→③初動の順に重要

仕事が早い理由の3つは、すべて重要なんですが、説明した順番の通りに重要です。

例えば②と③の対比でみると、重要度や緊急度が低い仕事をすぐやっても成果は上がりづらいので、重要な仕事や緊急性が高い仕事を先に考えて、それをすぐにやるということが必要です。

なので、先に考えるべきは②です。


①と②の対比でみると、そもそも目的や成果物がわからないと優先順位はつけづらいです。

緊急性はわかるかもしれませんが、どれがどのくらい重要なのかがわかりづらいからです。

なので①→②→③の順に考え行動するのが基本です。

しかし、とっかかりやすいのは③ですし、習慣としてすぐやる癖が身につけば、強力な武器になります。

なので、①や②を考えるのが苦手でとっつきにくい場合は、③をとにかくやってみるといいでしょう。

そうしていれば、そのうち①と②の問題にぶち当たるはずなので、その時に考えながら解決するといいでしょう。


早い人が重宝される理由

画像5

そもそも、早い人はなぜ重宝されるのでしょうか?

一言で言えば、生産性が高いからです。

生産性とは、アウトプット/インプットの式で表すことができます。

アウトプットは成果、インプットはコストで、今回の記事の場合は時間のことです。

時間は資源であり、お金にも反映するのでコストです。

つまり、少ないインプット(時間)で多くのアウトプット(成果)が上げられる人は、生産性が高いということになり、当然に重宝されるということです。


早さを組織のカルチャーにする方法

画像6

ここまで、個々のレベルでのことを書いてきましたが、この早さを組織に定着させれば、相乗効果が生まれ生産性は爆上がりするはずです。

なので、組織に「早さ」というカルチャーを取り入れる方法について、簡単に書いていきます。


方法① トップが早くやる

多くの方が実感として持っていると思いますが、どんな組織もトップの影響力は大きいものです。

特に悪いことに関しては

なので、トップにスピード感がなければ、「遅くてもいい」という空気になってしまい、スピード感は生まれにくくなります。

なので、トップが率先して早くやりましょう。

「早くやれ」というより、トップ自らが早さを体現している方が、よっぽど効果的ですし、変な軋轢などを生まず、自然に組織にスピード感が生まれやすくなります。


方法② このノートを共有する

早いのがいいとは言われているけど、なぜ早いがいいのか明確に理解できている人は意外と少ないのではないでしょうか?

理由がわかれば行動してくれる可能性も高いですし、どうすれば仕事が早くなるのか、ということも解説しているので、ぜひ共有してみてください。


まとめ

仕事が早い理由と、早い仕事が重宝される理由、そして組織的に早い仕事をするための方法についてまとめます。


仕事が早い理由

①なぜやるかが明確で

②何からやるかが整理されていて

③それをすぐやる

この3拍子が揃っていれば、早い仕事を実現できます。

仕事の目的を理解し依頼者と共有できていれば、目的まで最短距離で正確に進めやすくなります。

重要度や緊急度の高い仕事を優先的にやることで、より時間を割くべき仕事に時間を集中させることができます。それ以外の仕事は空いた時間で短期的に終わらせましょう。

そして、無駄に間を開けずにすぐやりましょう。そして、すぐやることを習慣にしましょう。


早いが重宝される理由

生産性が高いからです。

時間というインプットが少なく、多くの成果を上げられるのが、仕事が早い人なので、必然的に重宝されます。


組織的に仕事を早くするには

トップ自らがスピード感のある仕事をしましょう。言葉ではなく自ら体現してみてください。

そして、この記事を共有して、どうすれば仕事が早くできるのか、なぜ仕事を早くするといいのか、ということを理解してもらいましょう。

特に、なぜ早いといいのかという理由を的確に説明することは、人を動かす上で効果的です。

ぜひ、共有してみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?