渓流フィッシングと言う名の沼 6話

釣りを始めてから
初対面の人と話す時に何かタイミングが有れば釣りはするのかと聞く事がある。
お互いに釣りが好きならば何かと話が早いし距離感が一気に縮まる気がした。
とにかくずっと釣りの話しをしていたいのである。
そんな楽しい釣り話ではあるが時折り厄介なシチュエーションに出くわす事がある。
釣りには様々なスタイルがあるが、相手がフライフィッシャーだった時にこの厄介なシチュエーションは訪れる。
フライフィッシングこそが最高峰の釣りだと言わんばかりにマウントを取って来るのだ。
勿論全員では無い。
そう言ったパターンが多い気がしてると言う話しだ。
英国紳士気取りやベテランアウトドアズマン気取りで人の楽しみを見下して来る。
ガチャガチャとしたおもちゃの様なタックルで魚にインパクトを与えるルアーフィッシングはいかがなものかと訴えて来るのだ。

「ほっとけよ、都会の人間が」
「こっちはローカルだ」
と言うなんとも品の無い感情が一瞬芽生えるがそこはすぐに蓋をする。
なんせ私は初心者だ。
何を言ってもど素人の戯言なのだ。

「もう少しルアーフィッシングの事が分かったら次はフライに挑戦しようかな」
と答える様にしていた。

それからもう1パターン。
私が初心者だとわかった途端、永遠に釣りの奥深さを語ってくるやつ。
これは確かに勉強になる時もあるがどうか放っておいて欲しい。
私にも専属の先生が何人かいるのだ。

フライ、ルアー、餌、皆それぞれ自分のスタイルに誇りを持ちそれが1番だと思っている。
それで良いし、そんな事はどうだって良い。
これが職業でも無い限り楽しければそれで良いのだ。

釣りの世界はバックパッカーの世界に似ているなと思った。
特にインドの沈没者。
滞在期間が長い方が偉いのである。
妙に語りたがる。

ひたすら目の前の川に通う日々は続く。
まだまだ満たされない。
なぜだろう。

今回はここまで

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