渓流フィッシングと言う名の沼 3話

私は釣りに興味が湧いて来た事を友人に電話で伝えた。
彼は親切丁寧に釣りの事を私にレクチャーしてくれた。

魚肉ソーセージで何度トライしても一向に魚が釣れない私に彼はこんなアドバイスをくれた。

「ルアーやってみたら?」

ルアー?
聞いた事はあった。
ルアーフィッシングは彼の専門分野でありすごく楽しいからやってみろと言うのだ。

ここまで来たらやってみるしかない。
さっそく例の釣具チェーン店に向かった。
今回は店員さんにルアーフィッシングをやってみたいと伝える。
友人から道具に関していくつかのアドバイスをもらっていたが実は何も理解出来ていなかった為、今回も店員さんに見繕ってもらった。
釣具メーカーとしては最大手であろう誰でも知っているブランドの入門用と思われるロッドとリール、ナイロンラインとルアー3個、極めて安価な木製のランディングネット。
これだけあればひとまずルアーフィッシングなるものを始められるだろう。

手に入れたルアーフィッシングの道具の内容を友人に電話で伝えた。
友人の第一声はこんなセリフだった。

「長いね」

そう、私の目の前の川は所謂小渓流、源流域なのだ。
長いと言われても、もう買ってきてしまったのだからひとまずこれでやってみよう。
目の前の川に降りた。
見よう見真似でトライするも周りの木や地形のプレッシャーで上手く行かない。
ちんぷんかんぷんな私にもこの釣竿が長すぎる事はすぐに理解できた。
なるほど。

この頃にはもう釣りを諦めると言う選択肢は私には無かった。

これは釣具店の店員さんの責任では無い。
無知な私の責任だ。
インターネットでいろいろ調べてみた。
夜な夜なネットショップを徘徊し短くてリーズナブルで見た目のマシなルアーロッドを見つけて購入。
見た目がマシと言うのはその時の私が持っていたルアーフィッシングのイメージに近いと言う意味だ。

届いたロッドにこれも少し大きめな前回のリールを付けて目の前の川に降りた。
スプーンを付けてキャスト。
スプーンは思った所と違う場所に飛んでいったがなんと魚が釣れたのである。
ググッとロッドから伝わる振動に緊張しながら始めての魚を釣り上げた。

「嬉しい」

「楽しい」

それからと言うもの、週4回のペースで目の前の川に通った。
自営業のため多少の時間の融通ができる。
時間の融通が効き、目の前には川がある。
これが周りが引くほど私が釣りにどハマりした原因の一つだ。
いつでも釣りが出来る環境。
大変危険である。

行けば毎回魚が釣れる様になって来た。
少し気持ちに余裕ができてきた。
釣れた魚を写真に撮り魚種を調べてみる。
インターネットの画像検索を利用し私が導き出した答えは

山女魚

とても美しい渓流魚である。

後にこの魚はパーマークの残る虹鱒と判明。

私の釣りへの欲求はもう止まらず、相変わらずのペースで目の前の川に通う。
道具に慣れてくると一つの違和感に気づいた。

「このロッドってもしかしてめちゃくちゃ硬いんじゃないか? いや、絶対硬い」

また友人に電話で相談する事になる。

今回はここまで

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?