渓流フィッシングと言う名の沼 1話

私が釣りにのめり込んで9ヶ月。
たった9ヶ月、所謂ど素人である。

私の周りには釣りを生業としている人間が数人いた。

一般社会から相当な距離を置き、昔の哲学者の様に極端な思想を持ち、生活の全てを釣りに捧げた純度の高い釣り師。

又はサラリーマンをやりつつ釣り具メーカーからのサポートを受け、釣果は雑誌に掲載され、釣りをする姿はカタログ写真となる。

地方に移住してガイド業を営む者もいた。

そんな彼らを見ても釣りを始めたいとは思わなかったのだが...。

かく言う私も都会から田舎に移り住んだ移住者である。
自然の中に身を置きたいと思ったクチだ。
移住して10年以上が経過している。

田舎で暮らす様になると都会から友人が遊びに来る事が増える訳だが外遊びの好きな友人達は決まって私にこう言うのだ。

「目の前に川があるんだから釣りした方が良いよ! うらやましい!」

「そうだねー」と答える。

何度もこんなやりとりをしたものだ。


時は流れて

私は45歳の誕生日を迎えた。
もう立派なおじさんである。
自分がおじさんである事の受け入れに成功した私は何か新しい事を始めようかなと考えてしまった。
このまま進む先に底無し沼が待っているとも知らずに...。

今回はここまで


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