渓流フィッシングと言う名の沼 2話

45歳の誕生日をきっかけに何か新しい事を始めようと思った。

何にしようか。

いろいろ考えたと言いたいところだが実はそうでもない。

「試しに釣りでもやってみよう」

軽い気持ちだった。
迷わず隣町の釣具チェーン店に向かった。
店員さんに自分は全くの無知である事を伝え、少し短めの延竿と仕掛けのセットを見繕ってもらい購入。
これがマイファーストタックルである。

そしてよくわからないまま帰路。
途中、エサがない事に気づいた。
幼い頃の記憶を辿る。
思い出したのは祖父に連れて行ってもらった川釣りだ。
竹で出来た竿にエサは確か...
魚肉ソーセージである。

準備が万全になったところでいよいよ目の前の川に降りてみる。
少し上流に歩いた所で私は唖然とする事となる。
私がイメージしていた”目の前の川”にはあるはずの無かった素晴らしい渓相が続いていたのだ。
何段もの落ち込みが連なり思わず飛び込みたくなる天然のプールが点在する。

「どうしてもっと早く来なかったんだろう」

さっそく釣りを始めてみる。
どこに釣糸を垂らしたら良いのかわからないまま合っているのかわからない道具に魚肉ソーセージを付けて釣りをしてみた。

まったく釣れない。

釣りの楽しさは理解出来なかったが、素晴らしい景色には魅了されていた。
悪くない。
もう少し釣りを続けてみる事にした。

目の前の川に数回通うも一向に魚の釣れる気配は無い。
魚の姿は見た。
水が透明だから水中の様子がよくわかる。
だが魚は一向に釣れない。
最初は何もわからず、釣れなくても平気だったがだんだん心境に変化が訪れて来た。
魚を釣り上げたい気持ちが芽生えてきたのだ。
泳いでいるあの魚は何て言う名前の魚なのかが気になって来たのだ。

魚がいるのにまったく釣れない事と景色が素晴らしい事と魚の種類が気になっている事、所謂「釣りに興味が湧いて来た」事を伝えるため友人に電話をする事にした。
電話の相手は何度も私に釣りを勧めてくれてた友人。
彼が大物を狙いに行くとその後ろ姿はカタログの見開きとなる。
そう、私にはまだなんだかよくわからない釣りの世界のプロである。

私が釣りを始めた事を報告すると、彼は丁寧に釣りの事を教えてくれた。

数々の釣りに関するエピソードを写真付きで聞かせてくれてた。

今回はここまで



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