渓流フィッシングと言う名の沼 4話

だんだん道具の事がわかってきた私は改めて友人に相談した。
彼曰く、グラスで4ft位のロッドが良いのではないかと。
さっそくインターネットで探す。
一時ブームになっていた4ftのキラキラしたあのグラスロッドは売り切れもしくは転売屋によって高値で売られていた。
これじゃない。

数日後、たまたま立ち寄った都会の釣具店になんともおしゃれかつ長さのちょうど良いロッドが並んでいた。
本日入荷だそうだ。
私の中ではバスのイメージが強いメーカーのお手軽フィッシング用のロッドだ。
三色展開、どれも面白いが私は山吹色を選んだ。
価格は¥5,000程度。
これが私にとってはとても塩梅良くお気に入りの一本となる。
これに合わせてコンパクトなリールも新調した。

なんとなく自分のセットが出来上がりミノーやスプーンを買い漁る事になる。
スピナーはあまり好きでは無い。

基本、私はモノ好きな人間である。
そして極めて懐古趣味だ。
この頃から様々なタックルをチェックする様になりフィッシングベストやザックなども気になり始めた。
オールドタックルと言う世界がある事も知るが自分にはまだ早いだろうと判断。
が、このオールドタックルがすごく気になる。
なぜなら私は何事も古いデザインの道具に惹かれる傾向にある事を理解しているし、何よりギラギラした最新のリールやロッドのデザインがどうも好きになれないからだ。

などと考えながら一旦満足のいく新しい道具のセットで目の前の川に通い詰めた。

そうそう、ランディングネットはもう入れ替え済みである。
銘木を使ったそれなりの物を用意した。

この時、私はかつてオーディオで経験したある感覚を思い出していた。

似てるな。
沼に足を取られやっとの思いで這い上がったあの時の感覚と一緒だ。
今回はこの底無し沼の存在に早めに気づく事ができた。
さあ、どうするか。
今ならまだ間に合う。

あれ、足が抜けない...

今回はここまで

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