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【プレミア盤】「地球最後の男/人類SOS!」

50〜60年代SF映画2本のカップリングDVDです。

「地球最後の男」は米国のホラー・SF小説家で脚本家のリチャード・マシスンの「吸血鬼」を原作にしたSFホラー映画。

地球に謎の奇病が蔓延して人類はことごとく吸血鬼になってしまい、夜しか活動せず、昼間は地下に潜んでいます。

ところがロバート・モーガンだけは感染を免れており、ゴーストタウンになってしまった都市にたった1人で暮らしています。たった1人生き残った人類が夜な夜な現れる吸血鬼たちを逃れてどのようにして生き延びるかが、全体のストーリー。

本作はその後「地球最後の男オメガマン」「アイ・アム・レジェンド」と何度もリメイクされています。

ところがこの映画の影響で、もう一つ、重要な作品が作られているのです。ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」がそれです。「地球最後の男」の作中の、夜になると町を徘徊する吸血鬼の群れの描写がロメロのゾンビそっくりなのです。最初に見た時は「さてはロメロ、この映画に影響されてゾンビを作ったんだな」と直感しました。

このことは「地球最後の男」のリメイクである「オメガマン」や「アイ・アム・レジェンド」ではそれほど感じません。「地球最後の男」の死者(吸血鬼)の描写だけが、異様にゾンビっぽいのです。

同時に収録されている「人類SOS!」はジョン・ウインダムの「トリフィドの日」を原作にした1962年のイギリス映画。

ある日地球に大量の流星雨が降り注ぎ、それを見た人類は全員失明してしまいます。主人公だけは目に包帯を巻いて入院していたので失明を免れるのですが、そこに動き回る人食い植物トリフィドが現れて、失明した人間を次々に襲うのでした。

これも終末SFの有名作なんですが、トリフィドが集団で人間を襲うシーンがやはりロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のゾンビが人間を襲うシーンに似ているのです。

つまりこのDVDは、ロメロのゾンビに影響を与えた先行作品をわざわざカップリングして販売しているわけで、多分これは好きものによる意識的な構成ではないかと思われます。

ロメロのゾンビが好きな人は是非押さえておくべきDVDではないでしょうか。それが理由かはわかりませんが、この盤は中古でもプレミア価格で取引されています。

「地球最後の男/人類SOS!」
ヴィンセント・プライス

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↑地球最後の男オメガマン(プライム・ビデオ)

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↑アイ・アム・レジェンド(プライム・ビデオ)

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↑アイアム・レジェンド(別エンディング)


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