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ディビッド・フィンチャー「ファイト・クラブ」('99米)【未開封Blu-ray】

ディビッド・フィンチャーの作家性が良く出ている傑作。

基本は不眠症に悩んでいる主人公のサラリーマン「僕」と、ふとしたことで知り合った石鹸の行商人タイラー(ブラッド・ピット)との互いに殴り合って友情を確かめる奇妙な友人関係と、彼と一緒に入会するファイト・クラブという男たちが殴り合うことで自分の存在証明を感じるグループの日々を描くのですが、この作品にはある重大な秘密が隠されており、それはラストになって明かされる仕掛けです。

この映画、ネタバレを恐れずにあらすじを書くのが難しいです。非常に大雑把なヒントを書くと、「ジョーカー」という問題作がありましたよね。あの映画のジョーカーはある妄想に囚われていますが、最後に観客にそれが妄想であると分かる仕掛けになってます。この「ファイト・クラブ」はある意味で「ジョーカー」を20年前に先取りした映画のようにも思えるんですよ。

74年に「エクソシスト」というオカルト映画が大ヒットしましたが、あの映画の中には意図的なサブリミナルが混入していることで話題になりました。フィルムは1秒間24コマですが、その中に1コマほど別のカットを挿入すると、それがサブリミナル・メッセージとなって、観客の無意識に訴えかけるという映像テクニックです。

この「ファイト・クラブ」にもサブリミナルが仕掛けられていることをご存知でしょうか? 暇がある人なら怪しい画面をコマ送り再生して探してみてください。

こんな具合で、フィンチャー監督は、観客にはすぐには分からない「仕掛け」をこの映画で多用しているんですよ。まあサブリミナルが分からなくとも、最後まで観れば、この映画の大きな仕掛けに気がついて、アッと驚くこと請け合いです。

こういう、表面的なストーリーとは別のストーリーが組み込まれている構造の作品、私は好みです。もちろんハリウッド映画ですから、難解な部分はありません。普通に娯楽映画として楽しめます。


「ファイト・クラブ('99米)」
エドワード・ノートン / ブラッド・ピット / デヴィッド・フィンチャー
定価: ¥ 1905

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