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「激突!スペシャル・エディション」('71米)

スティーブン・スピルバーグの劇場公開第1作「激突!」であります。とは言えテレビ映画として作られ、日本などの海外で劇場公開されたもので、これ以前に「四次元への招待」パイロット版の「アイズ」、「刑事コロンボ第3話・構想の死角」(いずれもテレビ作品)を監督しています。

1971年の「激突!」もテレビ映画として制作されましたが、余りに出来が良かったため劇場公開されたものです。74年の「続・激突!カージャック」が劇場用映画監督の第1作になります。翌1975年に撮った「ジョーズ」の世界的メガヒットで有名監督の仲間入りをしました。

「激突」はリチャード・マシスンの「THE DUEL」が原作で、マシスンが脚本も担当しています。

路上で追い越したトレーラーの運転手にどこまでも追いかけられるセールスマンの恐怖を描いています。

本作は日本では何回もTV放映され、その度に私は観てましたが、この傑作が元々テレビ映画だとは信じられませんでした。あまりにも不条理な状況、トレーラー運転手の顔が一切出て来ず、隠れる場所がない広大なアメリカの平野でどこまでもどこまでも追いかけられる恐怖の演出はさすがだと思います。

原作ではトレーラー運転手には「ケラー」と言う名前があって、顔つきの描写もありますが、そこを全てカットしたことで、巨大なトレーラーがあたかも意志を持った怪物のように見えます。

シンプルなストーリーだけに、若きスピルバーグの監督としての天才的手腕が良く感じられる作品です。撮影時、スピルバーグはまだ24歳でした。

「激突!スペシャル・エディション('71米)〈2006年5月10日までの期間限定出荷〉」
エディ・ファイアストーン / ルー・フリッゼル / スティーヴン・スピルバーグ

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