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「花いちもんめ」

ボケ老人映画第二弾は千秋実主演「花いちもんめ。」監督の伊藤俊也は「女囚さそり」でデビューし、オカルト映画「犬神の悪霊」などを撮っていましたが、1985年に森繁の「恍惚の人」に真っ向から挑戦するボケ老人映画「花いちもんめ。」を監督しました。

元大学教授のボケ老人を演じるのは「七人の侍」でひょうきんな侍 平八を演じた千秋実。この時千秋は68歳。この12年前にボケ老人を演じた森繁久彌の向こうを張り、徐々に進行していく痴呆症演技に挑みます。

下半身だけパンツ丸出しの姿に「おじいちゃんが壊れていく!」というキャッチコピーが被さるテレビCMは強烈に覚えています。「恍惚の人」の森繁が自分のウンコを部屋中に素手で塗りたくる強烈な演技にも負けずにボケの極致を探った演技は、これまで幾多の名作映画に出ながらも賞には縁が無かった千秋実に、第9回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞など、数々の賞をもたらしました。

「恍惚の人」と是非併せて観たい名作です。

「花いちもんめ。('85東映)」
十朱幸代 / 千秋実 / 伊藤俊也


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