まつき。

どんなに歳をとっても惑いまくる、コントのような人生を送っています。

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最近の記事

とっとりへのいざない

数カ月間、地方への移住計画を実現すべく情報収集に明け暮れていたが、その後、身辺で起こったことにより移住計画は保留(あるいは断念)することとなったことは、先に記したとおりだ、 だが、それまでの間に出会ったいくつかのことについて、やはり記録に残しておきたい。 それは、自分にとってあまりに新鮮で、あまりに魅惑的な体験であった。 私はきっと生涯、このときの体験を忘れることはないだろう。 2021年から2022年に変わる年末年始の休暇中、ふるさと回帰支援センターから届いた数々のDM

    • エア・地方めぐりの終焉

      ここしばらく、筆が止まっていた。 この1週間、身辺で、いろいろなことがあった。 今となっては、移住検討に関する記事を書き続けていくのは、実は少しつらい。 直近1週間で身辺に起こった「いろいろなこと」によって、移住はしばらく保留にせざるを得ない、という結論を出したためだ。 詳細については、身バレの恐れもあるため記さないが、移住して就農など、夢のまた夢となってしまった。 このむなしさは筆舌に尽くしがたい。 移住のプランニングに情熱を傾けてきた数か月が泡と化した気分であり、また

      • 心願成就を祈る年明け。

        年末年始の週に入り、急に暇になった。 仕事は相変わらず気忙しかったが、プライベートが暇になった。 この時期に咲いている花もあまりないので植物園や庭園をめぐるモチベーションが下がり、また、地方移住への期待も下がってしまったため、平日の会社で受けたダメージを癒す手法は、ただ家でぼーっとした時間を過ごすのみになってしまっていた。 ただ、以前、ふるさと回帰支援センターを訪問し、島根県窓口で移住相談をした私の手元には、ふるさと回帰支援センターからさまざまな県・市区町村からの移住セミ

        • そんなに忙しいことなんて、ある?〜下田市・南伊豆町の場合〜

          ときは12月下旬。クリスマスシーズン真っ只中。 感染症の拡大傾向が落ち着いてきたタイミングでもあり、人は街にあふれていた。 東京駅丸の内口から伸びる通りはイルミネーションで彩られ、きれいにした男女が楽しそうに歩いている。 地下街では賑やかなクリスマスソングが流れ、ショッピングモールの抽選会には長い行列ができていた。 就農希望に対する厳しい言葉で、移住も農業も諦めていた私だったが、ひとつだけまだ、予約を入れたままにしていた相談会があった。 伊豆南部エリアへの移住オンライン相談

        とっとりへのいざない

          花は、雨だと下を向く。

          愛媛県の移住セミナーに参加したあと、ほどなくしてJA全農えひめの方から、メールが届いた。 そこには、西条市を管轄するJA東予園芸に確認した内容とその補足だとして、次のようなことが記されていた。 ・バラを生産するには初期投資が相当かかるので、自己資金が十分にあればJAの指導を受けながら農業をすることは可能。 ・重油の価格が高騰しており、また花の需要が減少していることから、新しく始めるには非常に厳しい環境。 ・それでも生産したいという意欲と十分な資金が必要。やってみて難しいから

          花は、雨だと下を向く。

          バラはやめたほうがいいです。売れないです。〜愛媛県の場合〜

          川本町の移住体感オンラインツアーに参加したあと、まとまらない考えを引きずりながら、私は交通会館に向かった。 この日、交通会館のホールでは、愛媛県の移住セミナー・個別相談会が開かれていた。 セミナーは予約制であったが個別相談会は予約不要で、県の移住相談窓口・就農に関する相談窓口・愛媛県の一次産業女子ネットワーク「さくらひめ」の相談窓口がある、とのことだった。 川本町のオンラインツアー終了時刻ですでに15:00をまわっていたため、私が交通会館に到着したのは16:00近かった。

          バラはやめたほうがいいです。売れないです。〜愛媛県の場合〜

          特殊な経験はいらないです。やる気さえあれば。〜川本町の場合〜

          徳島県・海陽町のご担当者との個別相談会のあと、私は友人宅で枝豆をつまみにビールを飲んでいた。 もう1人の友人と3人、マスクを付けたり外したりしながら、少量のビールを飲み、なんとなく「最近の話」などをしながら、時間を過ごしていた。 友人たちと大勢で集まったり飲んだりするのが憚られる昨今、とても久しぶりの対面だった。 「友人A」は、勤めている会社の親会社が変わってから、すかした人たちがやってきて、なにかと今までの仕事に文句をつけ、給与まで下がってしまった、と目を伏せながら話し

          特殊な経験はいらないです。やる気さえあれば。〜川本町の場合〜

          仕事はあると思う。〜海陽町の場合〜

          週末になれば植物園や庭園を歩きまわり、綺麗だと思うものの写真を撮ることだけが、ここ数年の楽しみだったが、その週末は違った。 土曜日には徳島県の移住セミナーを聴き、その後ブレイクアウトルームに分かれて海陽町の担当者と個別相談をする。 そして日曜には川本町の移住オンラインツアーに参加し、終わり次第交通会館に駆け込んで、愛媛県の就農相談窓口で情報を収集する。 という計画だ。 どんな情報が得られるか、楽しみだった。 東京しか知らない私が、どこかの地方で広い青空を見ながら、作物や花

          仕事はあると思う。〜海陽町の場合〜

          日没後に咲く花

          創業一族が絶対的な権力を持つそれなりに大きい会社、というのは、日本にそこそこあるんじゃないかと思う。 そういう会社に勤める人たちと、「同族経営あるある」を肴に一晩中飲み明かしてみたい。 社長がいかにワンマンか、というネタだけではなく、それゆえに根づいてしまった他の役員や従業員たちの奴隷根性エピソードとか、腹を抱えて笑えそうだ。 ……などと考えてみたが、ワンマン企業しか知らずに育つと「社長が絶対」なことなんて当たり前だし、それゆえに社長にかわいがられようと必死になる50過ぎ

          日没後に咲く花

          エア・地方めぐりの開始

          密を避け感染リスクを下げる行動が推奨されるようになってから、私も時差通勤を始めた。 私が通勤で使う電車は、遅い朝より早い朝のほうがまだ空いている、ということがわかり、朝は5時過ぎに起きて6時半ごろの電車に乗り、7時過ぎには出社する、という毎日を送るようになった。 早起きは昔からとても苦手で、起床してから何時間経ってもまったく血圧が上がらず、目の前にあるさまざまなものが、目には入るが見えてはおらず、たとえ誰とすれ違おうが挨拶もできず、茫然としたままオフィスに到着し、よれよれと

          エア・地方めぐりの開始

          何か、したいことはないんですか?

          風が吹いて桶屋は忙しくなった。 忙しいのにも、いい忙しさと、悪い忙しさとがある。 チームメンバーが主体的に動き、そしてみんなでアイデアを持ち寄ってプランニングし目標に向かっていく、というような仕事をしているときには、それが相当忙しかったとしても、気持ちが高揚して笑いすら生まれ、充実感にあふれる時間となる。 対して、悪い忙しさとは、例えば「社長のご指示」をパワーワードに、十分検証せず指示出しをする人が複数現われ、それに振り回されるようなときだ。 わけもわからずやることばかり

          何か、したいことはないんですか?

          風が吹いて桶屋が忙しくなる話。

          気づけば、新型コロナウイルス感染症と同居するような日常になっている。 数日前にも部下が陽性者になったが、自部署に陽性者が出たときの対応・申請にも、すっかり慣れてしまった。 きっとそんな人は、私だけではないと思う。 この感染症のせいで、仕事を失った人、家族を失った人、年に一度の楽しみを失った人など、なにかをなくしてしまった人は多い。 私も、長年にわたり情熱を傾けてきたことを、やめた。できなくなったのだ。 他方で、この感染症の影響で仕事が増えている領域がある。 病院などの医

          風が吹いて桶屋が忙しくなる話。

          SHIMANEへのいざない

          2021年の夏頃だったと思う。 部屋の郵便受けに、ひとつの小冊子がポスティングされていた。 表紙には「SHIMANE life」という文字と、カメラを手に遠くを見やる若い男性の写真が載っていた。 ポスティングは、たとえクーポンがついていたとしても原則そのままゴミ箱行きにする私だが、表紙のデザインが繊細で美しく、パラパラと中身を見てみた。 それは、島根県にUターン・Iターンした人の暮らしを紹介している、島根県への移住を勧める小冊子だった。 島根県は、働き手の人口減少が深刻な

          SHIMANEへのいざない